第648回
業界人のお勧め店 その2
このメンバーの対談なので突っ込みネタ満載
放送作家すずきB氏の著した「業界人がススめる魂のレストラン」。
個人的にはかなりの疑問の店がリストアップしていると感じ、
確認の意味でいくつかの店へ突入、
空虚な食後感で無駄な出費を繰り返している最近の友里です。
今回のお題はその本の中で、すずき氏とあの犬養裕美子さん、
そしてすずき氏のグルメ師匠である
TBSの「G氏」の三者対談です。
すずき氏のグルメの師匠との紹介ですが、
TV局近辺からは「ほんとにグルメかよ」といった
疑問の声を聞いた「G氏」と、あの犬養さん、
それに俄かにグルメに目覚めた放送作家の、
「純粋な読者」の方だけを対象にした本での
上辺だけでポリシーのない対談ですから、
友里からみれば突っ込みネタは満載でした。
最近は何軒取材したと自慢しなくなっていたと思っていた犬養さん。
「G氏」や放送作家から
「10万軒行ったでしょう」とか「日本一行っている人」
と持ち上げられて舞い上がり、
気を許して口が滑ってしまったのでしょうか、
「取材は1万3千軒超だが、
プライベートではその3倍、4倍、それ以上」との発言。
「純粋な読者」の方なら素直に自分たちの経験と比較してしまって、
「凄い人だ」と思うのかもしれませんが、
ちょっと電卓を扱える、
マイノリティである一過言持っている食通なら
すぐさまこの数字がおかしいことに気がつくはずです。
1万3千の4倍以上とのことですが、
低く見て5万軒としましょうか。
1年は365日しかありません。
王様の来栖氏でないかぎり、
一日中食べっぱなしで大丈夫という人は少ないはずですから、
昼夜の2回店へ行ったとして、1年で730店。
5万軒をクリアするには68年かかってしまいます。
電卓を使わなくても割り算を習得した人ならば、
すぐさま5万軒は疑問に感じる数字です。
犬養さんの実際のお年は何歳なのでしょうか。
岸朝子さんが変装しているとしてもクリアするには難しい軒数。
10歩譲って、1日に3軒行ったとしても45年。
彼女は生まれる前から、もしくは生まれてからも
母乳や離乳食を端折って外食を続けた計算になります。
100歩ゆずって1日4件プライベートで外食を続けたとしても、
34年かかります。
彼女は40歳代のはずですから、仮にその5万軒が正しいとして、
10歳から毎日外食を30数年続けたとしても、
1日に4軒行かなくてはなりません。
これは普通の食事では無理でしょう。
ケーキ屋とか喫茶店、
スタバもカウントしていると弁解するかもしれませんが、
前後の文調からいって読者はそうは取りません。
面白おかしく伝えるための方便で、
どうせ読者はこんな簡単な計算も出来ないとおちょくっているのか、
それともこの簡単な算数さえもできないのが業界人なのか
と思ってしまいます。
最後の方での犬養さんの
「トリュフとかフォアグラとか、高級食材と知識では知っていても、
本当の味や本質をわかっている人は、
番組を作る人も食べる人も観る人もほとんどいない」
と真相をついた爆弾発言にも注目です。
放送局勤務の業界人や審査員として登場する人たちは、
料理の味や本質をまったくわかっていない人が多いという意見、
私ははじめてと言っていいでしょう、彼女の意見に同意できました。
付け加えさせていただくなら、
料理評論家、フード・レストランジャーナリストたちも
わかっていない。
わからない人が評価して、わからない視聴者向けへ
わからない人が造る「グルメ番組」。存在価値があるのでしょうか。
しかし、ジャーナリストと名乗っていながら、
わかっていないという視聴者を啓蒙するでもなく、
わかっていない業界人と「煽り番組」をやっていたのですから
所詮、自分の利益しか考えられないような人なのでしょうね。
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