| 第635回王様を踏み台にしているとしか思えない
 
 4/15付けの日経新聞夕刊をみてびっくり。1面に「美食の王様」の来栖けい氏の特集が、
 かなりのスペースで組まれてあったのですが、
 そのイントロのところでマスヒロ氏のコメントとして、
 「私の若き後継者・・」という記述がありました。
 読者の方々からもその記事に関するメールをいただきましたが、
 「自分の後継者」と言い切る自信、
 つまり自分を何様と思っているのかといった批判ばかりでした。
 ま、TV番組でナレーターが彼を「賢人」と呼ぶ構成に、
 恥じらいというか抵抗感を持たない自己顕示欲の強い方ですから、
 我々一般人の常識を適用する事は無理かもしれません。
 しかも、「大人の週末」で3ヶ月にわたって来栖けい氏を取り上げているのですが、
 そのやり方が私には疑問、彼の狡猾な手法が嫌いです。
 第一報としては、それこそ「私の後継者」と呼び、
 読者に期待感を持たせます。
 しかし、第2報では、来栖けい氏がベストワンと言っている鮨屋、
 「入船」のシャリに対して、
 酢が利いていなくてこれは鮨ではないと言っています。
 鮨はタネが4でシャリが6、
 ということは「入船」の鮨は失格ということです。
 彼は来栖氏を「次郎」へ連れて行き、
 二郎さんにタネの乗っていない、「シャリ」だけを握らせ、
 それを来栖さんに食べさせたと聞きましたが、
 かなりの嫌味ではないでしょうか。
 良くある手法ですが、台頭してきた人間に一発かまして俺が上だ、
 と順位付けして、頭を抑えて今後に利用する手法です。
 二郎さんもこれみよがしに、シャリが重要と言っていましたし、
 最近のマスヒロさんの「しみづ」の紹介記事でも、
 「入船」や来栖氏を意識してか、
 「酢の利いたシャリが鮨の生命線」みたいなことを強調しています。
 こんなにけなすというか、
 馬鹿にしておいて「自分の後継者」とはよく言ったもんだ。
 また大人の週末第三報では、二人で日本橋「サン パウ」に出かけた時、
 来栖氏一番のお勧め料理
 「エスパルデーニャス(ナマコの筋肉)」を、
 スペイン本場のものと比べてヨード分が乏しいと感じて指摘、
 来栖氏の渡西経験のないことを公開して、
 「ぜひスペインへ行ってみるといい」と唆したと自慢しています。
 でもマスヒロさん自身、
 そんなにスペインに行っていたのでしょうか。
 「エルブジ」も5〜6年前くらいから
 急に取り上げてきたと私は記憶しているのですが・・・
 しかしこの3ヶ月に渡る来栖氏を取り上げた手帳を読んで、読者の方はどういう読後感を持つでしょうか。
 私のコラムの読者の方、つまり食べ慣れた方たち、
 どちらかというとマスヒロさんたちに否定的な方たちなら、
 なんと嫌味な言動だと思うかもしれません。
 でも、「大人の週末」のメインの読者である「純粋」な方たちは、
 「来栖氏をも子供扱いでまったく問題にしていない、
 逆に指導するとはさすがマスヒロさんはグルメ業界の第一人者だ」
 と関心、ますます信奉してしまうのではないでしょうか。
 まさに、「持ち上げるフリをして、踏み台にしている」
 と感じるのは私たちだけでしょうか。
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