| 第586回ダイニング系がうまくなくても存在できる訳
 
 暗めの照明で、一見スタイリッシュな内装、店名やスタッフの制服に凝るのはいいですが、
 肝心な料理は外観的には奇を衒ったものが多いですが、
 マヨネーズや柚子を多用した単調なものが多い「ダイニング」。
 この「ダイニング」が出没してかなりの年数がたちますが、
 私は料理に何の期待もできないこの手の店が
 なぜ消滅しないのか不思議でした。
 そんなとき、読者の方からその答えを教えていただいたのです。
 ある本からの引用とのことでしたが、答えを聞いて思わず納得。「性欲は食欲で満たされてしまう」というのが回答だそうです。
 つまり、おいしい料理を堪能し、
 心から満足してしまうと「性欲」は消滅してしまうそうなんです。
 どちらかというと
 若いカップルや合コンに活用されている「ダイニング」ですが、
 この手の店で本当に「おいしい料理」を出してしまうということは
 ご法度のようです。
 料理で満足してしまうと、アフターがなくなってしまう、
 どうでもよくなってしまう。
 そうなるとそれを目的としている客層から
 総スカンを食らってしまうということのようです。
 つまり、「ダイニング」へ行くような人は元々「料理」のレベルに期待している訳ではないということです。
 おいしくない料理を食べて緊張感を持続し、
 アフターへの意欲を萎えさせない。
 そんな利用しかない「ダイニング」を取り上げた雑誌を購入、
 マヨネーズ絡みながら見た目だけは派手な料理を見て、
 「おいしいかも」と思って
 純粋に料理に期待して訪問する客にはたまったものではありません。
 外観や内装も料理を楽しむ時の要素であることに
 私は異論ありません。
 しかし、料理を楽しむのに必要とは思わない、
 奇抜な内装、黒ずくめの厨房スタッフ衣装などは
 いかがなものでしょうか。
 ダイニング系の料理を目指すはずではないのに、
 ダイニングテイストを導入してしまった
 「ラトリエ ロブション」など何を考えているのか、
 わざわざイメージを低下させるだけで
 私にはまったく理解できません。
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