第543回
友里征耶と客を斬る その12
高い安いと価格についてケチなことを言うな
CPという言葉を連発し、店探訪の後の結論で、
食後感がどうのこうの、そして文中でもワインが高いだの、
仕入れがどうだと書いているのが
店側など経営側にとって気に触るのでしょうか。
ネットなどでもよく非難されているそうです。
価格のことにいちいちケチをつけて品がない、
ということでしょうか。
確かに昔の殿様系の方はカードがない時代、
女将に財布をぽんと渡してしまい、
いくら払うか気にしない人がいたと聞きました。
その人は近年破産したと漏れ聞きましたが、
最近はネット長者の人は別にして、
経費族も含めて支払額にはかなり敏感になってきていると思います。
確かに店で、
「このシャンパーニュは仕入れが3千円以下のはずだから
1万2千円は高すぎる。7千円で売れ」
などとネゴするのは粋ではありません。
またそんな非道な値付けをする店が
そのネゴに対して聞く耳を持っているはずがありません。
そんな店には二度と行かなければいいわけで、
私としてはあくまでその判断の元になる情報として
コラムなどで提供しているだけです。
グランメゾンのような高級店でも、もっと安く提供しているのに、
地方から来た普通の店構えのカウンター店が
なぜより高くする必要があるのか、
というだけでして、
まだまだご存知でない一般客の方に
判断基準を少しでも示せればと考えています。
私の本業でもそうですが、お客はどんどん勉強してきます。
細かくなるし、ノウハウや知識も豊富になってきて、
商売はどんどんやりにくくなります。
そこで、新しい事を考えるとかして
対応する努力をする必要があるわけです。
飲食店だけが、一般客が内情を良くわかってきたらやりにくいから
そんなことは無粋だ、と反論し、
努力を怠りいつまでも昔のやり方で乗り切ろうとするのではなく、
もっと新しい展開を考え、
努力するほうがいいのではと思います。
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