| 第484回高くてリピートは苦しい、鮨 かねさか 2
 
 一二を争う有名な鮨屋である久兵衛ですが、その割に鮨自体ではそんなに評価が高くありません。
 その分店から若くして独立して、
 なぜ急に評判の店になれるのか、
 鮨屋というのは不思議な飲食店であります。
 金坂氏と2番手は日ごとに立ち位置を交替するようです。両者の技量にそれほどの差はないのでしょう。
 ツマミは蒸し鮑などタネそのままのほか、
 季節の漬物なども出され酒飲み客にもゆっくり過ごせます。
 握りも矢継ぎ早に攻撃されないので、
 余裕でお酒が楽しめるのはありがたい。
 同じ銀座の次郎とは対極にある店で、
 そういえばこの店では「次郎」で見かける鮨オタクのような
 ジーンズに格子柄シャツといった客は見かけません。
 小ぶりな握りは久兵衛仕込でしょうか、コハダの〆が私にはゆるく感じましたが、
 有名店(あの次郎も)が仕入れている
 藤田水産からではないという近海マグロも、
 2週間前に食べた次郎よりも上質。
 当然修業元の店より上でしょう。
 穴子が塩とツメの両方でること、時期的に扱っていない店が多いのに
 煮ハマが出てきた点などは疑問ですが、
 ゆっくり飲んで食べてその御代は2万5千円前後。
 かなり高いと思うのは友里くらいでしょうか。
 <結論>雰囲気どおりの価格で、
 夜は3万円近くは覚悟しなければなりません。
 タネの質は、マグロはかなりのもので、
 他のものも出色したものはなかったが
 平均レベルを上回っていると考えます。
 鮨は技術よりタネ次第ということでしょう。
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