自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第444回
とあるサイトへ一言二言 3

「原価率、値付け、経営元を詮索するのは下品だ」

純粋にレストランを楽しむのにはまったく不要だとのこと。
そうでしょうか。
確かに店側にとってみれば、
そのような事を客に悟られるのは不要だと思っているでしょう。
彼女は店側の思考なのでしょうね。
料理人の技、付加価値は友里も認めています。
原価率云々をだすときは、
その技がイマイチ(おいしくない)の時や、
他のまともな店と比べるときに使用しています。
また、子供ではないのですから、
食材原価がいくらか、たとえば一般に売値の1/3以下である、
地代や固定費がどう売価や店の利益を圧迫するかを
客側も考えることは悪いことではないと思います。
家畜ではないのですから、
ただ出されたものを何も考えずに食べていても面白くもなく、
食べ手側も進歩しないと考えます。
ひいては造り手側も進歩しない。
これらをちょっと考えるという事は、
一般客がレストランを選び、評価する上で
知識や味わいを評価する能力が高まると考えます。

値付けも同じです。
もっと高級なグランメゾンのほうが
同じワインでも安い値付けの場合など、
それはおかしい、考え直した方が客も頼みやすく、
結果、売り上げ増になるのでは、と言っているわけです。
店でいちいちこの原価はいくらだ、と店側と交渉しろ、
と言っているわけではありません。
良心的な値付けの店もあるわけで、
そういった情報を提供しているだけです。
どうしてこれが、一般客に対して、
下品でよくないと言われなければならないのか。
店側に対してよくない、いうのならわかりますけど。

今年中にわかる例えを出してみましょう。
恵比寿のガーデンプレース内の「ロブション」を考えてみます。
タイユバンとサッポロが経営していた
「タイユバン ロブション」は利益を上げることができず、
経営は宅配ピザの「ピザーラ」を経営している
「フォーシーズ」に移転しました。
12月から「ジョエル ロブション」として再オープンするのですが、
同じ建屋を使用し、
同じロブションの料理をメインに謳っておりますが、
まったく食後感はかわると考えます。
料理は悪くなく、ワインも豊富で集客にそんなに困っていなかった
「タイユバン ロブション」でさえ、
今まで利益が上がらなかったわけです。
利益を上げることを目指して経営権を手に入れたのですから、
「フォーシーズ」は
今までとは違った経営をしなければなりません。
コンセプトを変えることも躊躇しないはずです。

具体的には、バンケット営業に力を入れると聞いていますし、
今度の店のソムリエ予定者に聞いたところ、
料理は「エル ブジ」風とのことでした。
うまくいけばヒラマツグループのように
収益を上げられる「バンケット フレンチ」に再生できそうですね。
西麻布の「レゼルヴ」を思い浮かべます。
日本で現在うまくやるにはこのやり方が手っ取り早いのですが、
元経営側のタイユバンは
コンセプトを変えてまで利益改善をするのは
自らブランドイメージが低下すると考えて
撤退したのかもしれません。
実際は、ロブションというブランド使用のいざこざも
撤退した理由の一つであるようですが、
収益が上がっていたらこのような結末ではなかったと考えます。

つまり、経営会社の考えで、雇われシェフには関係なく
店の料理内容や値付け、営業スタイルは
変わってしまうということです。
これでも、サイトの主宰者である彼女は、
経営元が関係ないといい続けられるのでしょうか。
素人ではないのですから、
もっと根幹を考えてもらいたいものです。


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2004年10月14日(木)

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