第404回
友里征耶のタブーに挑戦 その12
なぜシリアルナンバーがない?
近著で
ある人気シェフの有名レストランで、
シリアルナンバーを打っていない伝票を使っていることを
述べました。
内訳を書いた伝票などを
気にしない読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、
私は仲間内との店訪問が多いため、
割り勘にする以上食べた内容を出来るだけチェックしています。
ただし、和食店などの悪しき習慣として、
定額のコースを頼んだにもかかわらず、
お酒の価格表記がリストに明記されておらず
内訳も書かずに総計だけを端切れの紙に書いて示す店があります。
こんな和食店にもいえますが、
明細を出すフレンチやイタリアンでも、
その伝票にシリアルナンバー、つまり通し番号を振っていない、
しかもコクヨなど街場の文房具店で売っている
店名も明記していないものを使用している店を結構目にします。
各地の飲食店担当の税務署職員に聞いてみてください。
当局としては、伝票には必ずシリアルナンバーを打つように、
そして必ず番号順に保管するように指導しているはずです。
番号を振っていなければ、お客から飲食代を徴収しても、
その伝票を抜いてしまうのではないかといった
疑いをもたれるからです。
現金決済の場合、伝票を抜かれてしまっては、
当局は売り上げの実態をつかむことが出来ず、
申告に対して適正な課税がなされているかどうかを判断することは
難しいのです。
かくして「マルサ」ではありませんが、現金商売の店の場合は、
仕入れの反面調査などをして
売り上げの実態をつかむ努力をすることがあるのです。
飲食店ならば、仕入れ食材の量、仕入額と
売り上げに対応する客数が適正な関係にあるかどうか、
お酒の仕入れはどうだろうか。
美容院ならば、シャンプーなど美用品の消耗、仕入れ量、
ラブホの場合は、シーツのクリーニング状況をつかむ、
といった話も以前聞いたことがあります。
同様に、カードの使用可をうたっておきながら
カード決算を嫌う店がありますが、
単に手数料負担の問題だけでなく、カード決済されることにより、
売り上げが完全に表面化することを嫌うのではないか
と言った推測も考えられるのです。
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