| 第273回イル ムリーノ ニューヨーク 1
 NY版ザガットで19年連続bPだったNYのイタリアンが六本木ヒルズに進出してきたとの触れ込みです。
 しかし、実際の経営は
 各種料理店を多店舗展開している
 「WDI」という会社が経営している、単なる提携店と考えます。
 この会社から1万円ディスカウント券を
 関係部署へかなり配布していたと聞きました。
 姉妹店は「巨牛荘」、「トニーローマ」、「カプリチョーザ」、
 「レインボー ロール スシ」、「ハードロック カフェ」など
 カフェから創作スシ、焼肉屋、大盛イタリアンまで
 なんら統一性がありません。
 訪問する前から見えてしまうのですが、
 あくまでパフォーマンス系の料理店としての覚悟が
 入店には必要です。
 「日本料理 小山」のホールから見える、占有面積の小さそうなあまり灯りがついていないレジデンスの2階にこの店はあります。
 あの金髪の雇われパティシエ、辻口氏の
 「ル ショコラ ドゥ アッシュ」の直ぐ隣です。
 大きな看板は出ていないので、けやき坂通りからは目立ちません。
 自動ドアを通りもう一つ、大きな観音ドアを開けるとそこには、ニンニクの匂いが充満している異様な空間が広がります。
 まずは話題のウエーティングで食前酒。
 30席以上あるスペースに驚くとともに、
 大きなガラス面に水を流しているパフォーマンスを見ると、
 西麻布の流行っていないと思われるダイニング
 「土竜」を思い出し、この店の将来が不安になりました。
 噂どおりに暗すぎる店内では、
 ミニスカートの女性スタッフが意味なく左右に闊歩しており、
 最近のお約束でしょうか、
 イケメン系の男性スタッフが跪きながら客応対をします。
 あまり食前に利用する客がいないからか、
 BGMがやけに耳障りなのが気になりました。
 国産ビールもアサヒしか揃えていないのはちょっと残念。
 ホールはもっと驚きです。20テーブルはあるようですが席間は非常に狭く喧騒としています。
 ダイニングの内装で
 トラットリアの雰囲気といったらわかりやすいでしょうか。
 客層もまともなネクタイ・スーツ族はほとんど見当たらず、
 業界系が幅を利かせているようです。
 座ったら有無を言わさず4種出てくる自慢のフリーアペタイザーですが、
 キノコのマリネ、サラミ、ガーリックトースト、パルメジャーノと
 私にとってあまり必要性を感じるものはありません。
 暗いだけでも客には不便ですが、
 この店のメニューは文字が花文字のイタリア語表示ですから
 なおさら解読がしにくいのが難点です。
 スタッフとのやり取りで
 頼む料理を決めていく営業スタイルのようですが、
 前評判のようなフレンドリーなスタッフではなかったので
 オーダーに一苦労。
 スタッフの当たりはずれがかなりあるようです。
 アラカルトのみの構成で、
 前菜・パスタは3千円前後、メインは5〜6千円。
 種類はあまり多くなく、
 特に肉系のメイン食材は鶏、仔牛、牛しかありません。
 アメリカでは豚、仔羊などの人気がないのでしょうか。
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