第226回
友里征耶の疑問 その3
隠れ家系の店にはなぜ箸があるのか
私は「隠れ家レストランに旨いものなし」を主張しています。
ですから、あまりこのような店の経験がありません。
でも数少ない訪問店、例えば六本木の「まっくろう」や
上大崎の「SIMPEI」は
料理自体やCPに問題があること以外に私が疑問なのは
「箸」の存在です。
一応フレンチを謳っている店のはずなのですが、
この両店には最初からお箸が備えられています。
これは、パリやローマの隠れ家風日本料理店で、
ナイフとフォークを出しているのと同じ事でしょう。
外国では完全なミスマッチ、滑稽と考えます。
最後にお椀やご飯物を出すからだという理由も考えられますが、
それでは外国の和食屋で
最後にパスタやクスクスがでてくるのでしょうか。
私はこれら隠れ家レストランを好む
客層のニーズによるものではないかと考えます。
いわゆる昔でいう業界系、
そして特に「まっくろう」で頻繁に見かける
芸能人系の方の好みと考えます。
要は、純粋なフレンチ、イタリアンは性に合わない、
和食っぽいテイストで、
和食っぽく食べたいという声があったからなのでしょうが、
この手のニーズが現在、そしてこれからも続くのか私は疑問です。
最近の週刊誌では、
「芸能人に会える店特集」なるものを見かけなくなりました。
この手の店が純粋に料理を楽しめるものではないという考えが
広まってきたということでしょうか。
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