第206回
営業方針を転換したの?ラ レゼルヴ
一昨年、平松氏自身がTVの特番にも登場して宣伝していた
西麻布の「ラ レゼルヴ」。
一年経ってかなり営業方針を変更してきました。
営業の主体を結婚披露宴など
バンケットに置いていると私は思うのですが、
一般個人客へは、数ヶ月に1度は再訪できるフレンチに
とのコンセプトで、
ディナーのみを8800円1種のコースで提供する、
とグループ総帥は本でも発言していました。
ところが、昨年6月には客からの要望という理由で
ランチをやり始め、夜もいつの間にか
7千円と1万円の2コース制といった
実質値上げとも勘ぐれる転換をしてきたようです。
「エル ブリ」風を形だけ真似ただけの、
量の少ない味も印象に残らない料理。
コース内容も2ヶ月に一回しか変更せず、
シャンパーニュを含めてワインは凡庸なものを
高い値付けで提供しているのを見て、
私は数ヶ月に一回、再訪する客が果たしているのか疑問でした。
大々的にオープンしたのに、
1年足らずで公表した営業方針をなぜ変えたのでしょうか。
もともと「カフェ デ プレ」の地下の
「イケダ」というレストランを担当していたシェフが
現在の「レゼルヴ」の池田シェフなのですが、
前の店は客がほとんど入っていなかったようです。
話題にもなりませんでした。
しかし、そんな経歴のシェフが造る、
パフォーマンスだけのCPの悪い料理の割には、
若い女性を中心に連日賑わっているようです。
普通、やっていなかったランチを始めてくるのは
集客に苦しむ店の場合が多いはずです。
「脂ニ菜」やイタリアンの「クローチェ エ デリツィア」の
例もあります。
でも、今回はディナーを実質値上げしていますから、
昼も営業して更なる売上高増、
利益増を狙ってきたということなのでしょうか。
問題なのは、なぜ平松氏自身が述べていた、8800円という
価格への拘りをあっさり捨ててしまったかということです。
1年足らずで簡単に忘れる人は少ないはずです。
個人客用の料理も、宴会料理の如くCPが悪い。
こけおどしのような、しかし普請が高いと思えない建屋と、
観光地の食堂を思わせる大箱なざわついたホール。
そしてこの方針転換、と個人客を第一に考えない営業方針で、
まだよく盛況が続いているなと私は不思議に思うのです。
個人客からソッポをむかれるようになったなら、
誰もバンケットをしようとは思わなくなるのは、
当たり前のことなのですが。
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