第204回
料理店の盛衰は営業方針次第? その3
後出しはいかがなものか
表の看板で「安いな」と思って入店したが、
結果お会計が思ったより高くなった、
といった経験をされたことが
何回か皆さんもあるのではないでしょうか。
単品居酒屋での「付き出し」の請求、
イタリアンでの「コペルト」、
高率なサービス料などですが、
最近私は思いもかけない「科目」を請求されました。
それは「テーブルチャージ」。
昔の「ジャズ喫茶」とか「ピアノバー」などで
存在していた科目と記憶していますが、
その店はボーカルが出ているわけでも
ピアノが演奏されているわけでもありません。
普通の和食店なのです。
問題は席料としての請求額と料理価格のバランスです。
マスコミに取り上げられず、客の出入りをあまり見かけない、
流行っていない街場の店なので実名をあげるのは避けます。
表の看板には普通の居酒屋的なメニューの他に、客寄せでしょうか
和牛のシャブシャブ1800円というのがありました。
付き出し、肉、野菜、麺がセットでこの価格。
スタンド形式のシャブシャブ屋の
ランチ価格に相当する安さに惹かれて
思わず妻と入店してしまいました。
和牛といえども当然「肉牛」を期待していません。
凍らせて薄くスライスした肉、胡麻タレの味、
薬味の量の制限などは覚悟の上でも、
この1800円は魅力的だと考えました。
薄くきった肉ならば、松坂だろうが黒毛だろうが乳牛だろうが
あまり影響ないと。
確かに価格を考えると、それなりに満足する料理だったのですが、
請求額をみて満足感は一気に消えてしまったのです。
ビールに数本の日本酒の追加だけ。
暗算でも総計がすぐまとまるものでしたが、
その額がどうしても3千円前後合わないのです。
消費税やサービス料といったものでは埋まらないひらきに、
内訳を要求したところ、
「テーブルチャージとして、一人1500円いただきます」
と通告されました。
表の看板にもメニューにも
そのような事が書かれていた記憶はありません。
多少の額なら理解できますが、1800円で客を釣っておきながら、
ほとんど同額の「隠れ追加料金」を乗せてきたのには驚きました。
結果は「木曽路」チェーンに近い金額となりましたが、
この「後出し」は残念、二度と行かないと思ったのですが、
この安い設定の看板メニューでも
客が入っていない事実を知りながら、
その理由を入店前に推測できなかった
自分の甘さにまた腹が立った次第です。
客は一見だけではありません。
ほとんど「騙し」みたいな営業をやっているようでは、
いつまでたっても店は満席にならないでしょう。
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