第201回
ワインの諸々 その8
イタリア現地の方がワインは高い?
短期間の訪問だったので、
数多くのショップやレストランを廻った訳ではありません。
しかしざっと見て、同一ヴィンテージ、同一ワインを比較すると、
日本の方が安い値付けではないかと感じました。
輸送費、関税、インポーターの経費と
日本へ輸入するには費用が余計にかかるはずなのですが、
比べたワインが日本で人気のある
高級なワインだったからかもしれませんが、
逆になっているのです。
解禁になった韓国で販売されているCDが、
日本国内よりかなり安く売られているため、
逆輸入しても日本の値付けより安く提供できる、
といった話を聞いたことがあります。
イタリアワインも輸出向けは安く設定しているのかどうか、
私はしりません。
ただ、最近のイタリアワインは品質が向上して
ニーズが増えているのか、
次々と新しいワインが登場してきています。
原産地呼称のDOC、DOCGなどの格付けも
年々増えていますが、
その枠にとらわれない「スーパーターボラ」と言われる、
いわゆるテーブルワイン。
縛られない品種選択と醸造方法で、
格付けワインよりアメリカや日本では
高く売れるものも多いですが、この増え続けるワインは
日頃かなり勉強していなければ覚えきれるものではありません。
どうしても私が覚えている価格のワインは
「スーパーターボラ」であっても昔から有名なものや、
バローロ、ブルネッロの有名造り手もものに偏ります。
フランスの一般の人が「エルメス」や「ルイ ヴィトン」を
バンバン買っていないように、
イタリアの人も有名ワインはそうは飲まないと考えます。
よって、今回私が行った地元の人が行くような店やショップでは、
それらの有名ワインは
売ることを想定していないからなのでしょうか、
よって高い値付けにしているとも考えられます。
勿論、私の知らない有名ではない造り手のワイン、
「キアンティ」にしても
「ブルネッロ ディ モンタルチーノ」にしても、
3〜4千円と安くそしておいしく感じるものもありました。
フランスでは、ブルゴーニュにしてもボルドーにしても
現地のレストランでは、たいてい有名ワインが
日本よりかなり安い印象を受けた記憶があります。
数年前のことでしたが、
イタリアの一般店、1つ星店が高いだけなのか、
日本と同じように古いワインが飲みつくされて、
供給が間に合わず値段が上がってしまったのか、わかりません。
パリなどの比較的新しい店では
有名店でも若くて高い値付けのワインしかありませんでしたが、
日本も含めてこの傾向になってしまっているのか、
機会があったら又調査してみたいと考えております。
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