第193回
ミシェル ブラス トーヤ ジャポン その1
道内の客よりも関東、いや関西からの集客を狙っていると
タクシーの運転手さんが言っていた
「ザ ウインザー ホテル 洞爺」。
経営的には外資系の傘下に下ってしまったようですが、
そのバブリーな建屋と誘致した有名料理店のおかげで、
その名は全国に轟いているようです。
京都の名店「美山荘」と
フランスの三ツ星、「ミシェル ブラス」の分店が
グルメの耳目を集めています。
この洞爺湖の「美山荘」はあまり良い評判を聞きませんが、
ブラス氏が東京ではなくわざわざこの地への出店を選んだ、
「ミシェル ブラス トーヤ ジャポン」は
果たしていかがなものか。
私は最高の状態と推測される
わずか8日間ほどのブラス来日イヴェントへ
なんとか潜り込むことに成功しました。
フランスのライヨール村にある本店も、
パリからのアクセスはかなり悪いようですが、
この洞爺湖も大変です。
新千歳空港まで東京から1時間半、
そして洞爺駅までも2時間近くかかりますし、
そこからのタクシーやバスでも20分は有します。
ドアツードアで、6時間はかかる長旅でしたが、
予算の都合上ウインザーホテルでの宿泊を断念し、
洞爺湖温泉のホテルにチェックイン、
一風呂浴びてからタクシーでホテルに到着した時刻は、
自宅を出てから9時間後でした。
ここまでのめり込む自分がちょっと怖い。
車寄せのスペースは非常に小さいのですが、
天井には派手な電飾があり、
なにやら年末のイルミネーションを思い出します。
ドアガールに聞いたら、年中飾ってあるとのこと。
エントランスからロビーにかけては正にバブル。
吹き抜けかと思われるほど天井は高く、
エレベーターホールも含めて
共有スペースは贅沢に広くとられています。
外資系に流れたのは致し方ないかの
まさに時代遅れのバブリー建屋。
しかし、驚きは今回のメイン、
「ミシェル ブラス」の店内に入って着席するまで続きます。
昔のディスコの入り口かと思われるレセプションで
予約名を告げて席へ案内されるのですが、
足元に不安のある方にはお勧めできない内装です。
和のテイストが取り入れられているのでしょうか、
店内は水が引き込まれていて、
ちょっと油断すると水の中へ足を踏み外すことになるのです。
これはちょっと凝り過ぎではないでしょうか。
入店時はさておき、
ワインを飲んだ後の帰り時に
入水した客は何人かいるのではないかと私は想像します。
椅子は籐製でテーブルは円卓、
南仏のイメージを出そうとしているのがわかります。
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