| 第148回逆転の発想 地方進出、カノビアーノ
 最近雑誌で、植竹隆政シェフが京都に「カノビアーノ」の分店を出したと知りました。
 代官山にアネックスを含めて2店。
 確かドルチェの店もあるはずだし、私の記憶では4店目です。
 京都店では、京野菜に力を入れるとのこと。
 相変わらず、ニンニクや唐辛子を使用しないスタイルは
 そのまま継承するようです。
 ということは、京野菜である万願寺や山科など
 辛くない唐辛子も使用しないのでしょうか。
 「特徴のないのが特徴」。一言でカノビアーノの料理を表す言葉だと私は思います。
 どれも無難にまとまっている、はずれる料理は少ない。
 しかし、特に印象に残るでもなく、
 皿数は多いのに淡々と食事が終わってしまうのです。
 万人受けする料理、代官山などお洒落なスポット、手頃な価格、
 など若い人や業界人に受ける要素はあったでしょう。
 しかし、京都に進出するとは意外でした。
 地方の名店といわれる店が、東京へ進出してくるのは良く目にします。
 札幌で名店といわれた「メゾン ド サボア」を閉め、
 東京へ勝負に出てきた「オハラ、ス」。
 小田原の有名店であった「ラ ナプール」も
 この年末に上京してきます。
 オーナーシェフの野望は、
 メジャーに行ったイチローや松井選手ではないですが、
 最後は東京、もしくは銀座や六本木、青山で
 勝負を賭けたい気持ちが強いようです。
 古くは宮本シェフの「クリニャンクール」。西麻布から銀座にうってでましたが、また南麻布へ逆戻り。
 五反田の立地の悪いところからテレ朝通りへ移転した
 「クローチェ・・・」も暫く苦戦が続きました。
 「オハラ、ス」も順風満帆とは言えないようです。
 このような、店の所在地をランクアップすることを第一に考える
 オーナーシェフとは違った動きをしたのが、
 ヒラマツグループでした。
 博多に出した大箱店も順調のようですし、
 来年には札幌にも進出するとか。
 東京やパリで得た名声を利用して、地方で集客をはかる。
 経営者として立地の見栄よりも利益をとった結果と考えます。
 「ヒロ」のように都内にバンバン出店するよりも、
 京都を選んだ植竹氏に経営者としての洞察力があったのか、
 答えは近々にでるはずです。
 しかし、若干40歳前後の植竹さん。短時間での多店舗展開ですが、バックにスポンサーがいない、
 純粋のオーナーシェフなのか、私には疑問です。
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