自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第37回
連載をもつ料理評論家、フードジャーナリストの
行き着くところは・・・

執筆を続けていく上で一番心配なのは「ネタ切れ」です。
料理店評価の場合、執筆者の姿勢にもよりますが、
たいていの人の場合どんな店でも
肯定的に褒めて書くわけですから
次から次へと「おいしい店」が毎週生まれていくことになります。
特に「これが最高!」のようなタイトルで毎週連載する場合は、
よくない店や料理を紹介するわけにはいきません。
でも、そんなに最高な店、
料理が毎週出てくるほどあるのでしょうか。
周知の店、料理だとわざわざ紹介する意味がありませんから、
どちらかというとあまり知られていない店を取り上げないと
彼ら料理評論家、フードジャーナリストの存在価値はありません。

なんとしても毎週、もしくは雑誌の特集で何店もお勧め、
最高の店、料理を捻出しなければならないのが、
彼らのこの業界で食べて行くうえでの宿命です。
店側に迎合せず、よくない店、おいしくない料理を
はっきり書くことにすれば
そんな苦労もしなくてすむのでしょうが、
はっきり辛口で書いてしまっては、
長くこの業界で食べていくことは出来なくなるはず。
この業界は店側との妥協が必要なようです。

ではどんな店を探し出すのか。
色々な彼らの本、雑誌のコメントを読んだ結果、
私はある程度の法則を見出すことが出来ました。

それは立地に意外性のある店です。
こんなところにフレンチ、イタリアン、日本料理?と
思わずびっくりするような場所にある店は、
平均レベルの料理で充分取り上げてもらえる可能性があります。
ちょっと店名が変わっている、店主に癖がある、
しかし料理評論家・フードジャーナリストに理解があって
彼らの溜まり場になれる、なんていう条件を満たしていたら
もう完璧です。
料理ではなく、器とか什器にお金をかけているというのも
彼らの興味を引くでしょう。
キャパも小さ目がいいですね。

でも、それを真に受けて訪れた一般客は、
特別料理を出してくれるわけでもありませんから
落胆させられるのです。

明日から2回、この手の店について述べてきたい思います。


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