第104回
広東語がわかると世界が変わる
同僚と一緒に会社が始まる前に
週3回1時間半、家庭教師に来てもらって
広東語学習をまず始めました。
まず実践広東語ということで、
「広東料理のメニュー」「よく行く場所の名前」
「数字・曜日」などからスタートしたのです。
でも広東語は、本当に難しい言葉です。
見たことも無いような漢字が数多くありますし、
声調が9つあり(同じMaでも音の上がり下がりで9種類ある)、
古い言葉なので、俗語がとにかくたくさんあります。
日本人を指すことばですら
日本人(ヤップンヤン)
日本ジャイ(ヤップンジャイ)
ローパタウ
ガージャイ
と、私がしっているだけでも、4つの言い方があります。
その上、香港人は外人だからといって、
ゆっくりしゃべってくれたりしません。
英語、スペイン語と
比較的短時間でマスターできた経験をもっていたので、
広東語も半年から1年程度で
簡単な会話ぐらいはできるようになるだろうと思っていたのですが、
とんでもない間違いで、
中級レベルの会話ができるようになるのに3年かかりました。
香港では英語がしゃべれる人が多いので、
こちらが下手な広東語をしゃべっていると、
すぐ英語での会話になってしまうという事情も
あるといえばあります。
香港といえば、レストランなどのお店では、
店員に愛想が無いので日本人は腹が立つ人が多いようです。
C級グルメ探索をしていた時の事。
市場の中で窓も無いようなレストラン。
半分以上のお客さんは上半身裸の労働者。
私は昼背広を着て入ったので、全くの場違い。
店の女主人は私を睨み付けていました。
でも、とってもおいしかったので、
しばらくしてまた同僚といったところ、
女主人がまた怖い顔をして怒鳴りつけてきました。
同僚は、驚いて、
「やばいから、こんなレストランやめとこうよ!」
と言ったのですが、
実は、女主人はこういったのです。
「何だこの前来た日本人か! 男前だから覚えてたよ!」
ということで、実は歓迎してくれていたんです。
恐ろしい顔で怒鳴りながら。
香港の人は愛想がわるいですが、
別に悪気があるわけではありません。
それなりにお客に気を使っているのですが、
日本人的接客とは違うというそれだけのことです。
C級グルメの店に行くと、
隣で飲んでいる上半身裸の肉体労働の人が
やはり睨み付けてきますが、
広東語でしゃべりかけると、盛り上がって、酒盛りになり、
おごってもらったことも何度もあるほどです。
地元の言葉をマスターすると良い事がたくさんありますよ。
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