第84回
中国伝統医療を予防の目玉にしようとしている中国
中国の伝統医療といっても様々な方法があるそうですが、
私も個人的にお世話になった先生が何人もおられます。
一人は香港の整骨医の方で、
私がスカッシュの試合の後にぎっくり腰になって、
全く動けなかったのをたった1回の治療で治してくれました。
香港人の友人に紹介してもらったのですが、
後で聞くと香港では大変有名な先生とのことでした。
あるとき、日本から取引先の社長さんが香港に来られました。
車椅子の生活を送っており、
日本であらゆる治療をしたが、完治できないとのことでした。
軽い気持ちで、その先生を紹介したのですが、
治療後、その場で立ち上がられ、
ご自分の足で動き回れるようになったのです。
1年に最低1回は治療が必要とのことで、
その後は毎年香港に行かれて治療を続けているそうですが、
車椅子のない普通の生活に戻ることができたと、
大変感謝されました。
台湾でも、スカッシュとゴルフのやりすぎで、
重症のテニスエルボーになったときも、
針の治療を受けて、短期間で治すことができた経験を持っています。
こうした中国の伝統医療ですが、
中国では西洋医学と同じく、中国伝統医療として、
医師の資格も認められている確立した医療技術となっています。
最近、中国では第11次5ヵ年計画の中に、
「亜健康対策」が入れられました。
亜健康とは、健康でもなく、病気でもない中間の状態を指します。
考え方としては、病気というのは、突然なる訳ではなく、
健康な状態から、徐々に病気に進んでいく、
したがって病気の一歩・二歩手前が亜健康という訳です。
西洋医療の考え方は、基本的には、病気かどうか診断して、
病気なら治療をするという考え方です。
中国でも成人病が大幅に増え、
その対策が国家として求められたわけです。
そこで、亜健康すなわち、病気になる手前の状態にいる人たちを、
病気に進ませるのではなく、健康な状態に戻していく。
それが、「亜健康対策」なのです。
そのために、国家プロジェクトとして「亜健康協会」が設立され、
膨大な国家予算がつぎ込まれています。
その中核を担っているのが、中国伝統医療というわけです。
頭痛、肩こり、手足のしびれなど、
西洋医療で病気が診断できず、治療ができないこうした症状でも、
中国伝統医療の考え方で、
亜健康から健康に戻すことができるのです。
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