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第73回
調整局面を迎えたベトナム株(2)

<前回より続き>

ベトナム株の問題点

1、株価が高すぎる
 ベトナム市場ではPER(株価収益率)などの
 データが整備されていませんが、
 恐らく市場PERは50倍台を超えており、
 人気銘柄は70〜100倍のものもあります。
 それに株式経験のほとんどない国内の個人投資家が
 PERなどお構いなしに、
 株は上がるものだと闇雲に買い続けてきました。

2、市場制度は未熟
 ベトナムの株式市場は30年以上の歴史がある
 タイをお手本に作られました。
 「設立時にアドバイスを与え、
 タイで当初実験的に導入した制度が取り入れられた」
 (タンティワニ・タイ取引所副理事長)。
 このため、現在の市場は特殊な相対取引が中心で、
 日本や香港など海外で一般的な
 ザラ場(連続して取引が行われる) 方式ではなく、
 1日3回だけのマッチング
 (売りと買いの価格が見合ったものだけが売買成立)方式で、
 しかも投資家は同じ銘柄の売買注文をその日は二度と出せない、
 などの制約があります。

3、小さすぎる上場企業
 上場会社の規模が小さい。
 最低資本金が50億ドン、つまり3800万円で、
 これでは流動性に問題が生じます。
 政府が中小企業を優先して民営化してきたためで
 有力企業の上場はこれからなのです。

しかし、現地では市場の健全化に向けた動きが始まっています。
既に地元のサイゴン証券では、
毎月の口座管理料が15ドルから100ドルに値上げされており、
個人投資家に対する規制が始まっています。
4月19日、ベトナム国家銀行のレ・スアン政策局長は、
「4大国有銀行のうち3つを年内に上場させる計画で
銀行改革を進めている」としながら、
「最近の株価調整は極めて歓迎すべきことである」と述べています。

これに前後して、ホーチミン取引所は5月7日から
ザラ場方式を導入する計画を明らかにしました。
ベトナム市場は次の発展に向けて何かが始まったようです。
そのカギを握るのが国有大銀行の上場――
何やら中国の4大銀行の上場と市場整備の動きに酷似しています。
社会主義国のべトナムは市場経済化や市場政策は、
タイよりも同じ体制を持つ中国を見習っているのは
明らかなようです。

今後大型の国営企業の民営化、上場が次々に控えており、
今後ベトナムの証券市場が飛躍的に発展するのは間違いありません。

私は、ひたすら民営化の株の取得に動いていきたいと思っています。


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2007年5月16日(水)

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