上海、深セン市場のオープン当初から
ずっと中国株にかかわってきた人の物の見方です

第79回
通貨バスケット

先日一部のメディアが
5月から8種類の外貨による
新たな取引システムが導入されるのに伴い、
通貨バスケット方式に
切り替える可能性があると報じていました。
この通貨バスケットとは何か、
簡単にではありますが
ご紹介させていただきます。

現在中国の為替レートは
米ドルに連動しており、
米ドルが高くなれば
人民元も高くなっていました。
そして、対米ドルでは
1米ドル、8.276元を保ってきました。

ここ数年、
中国の力が強くなってきたため、
人民元を切り上げる、
つまり、1米ドルを
7元や6元に変更しろ
という圧力が強まってきました。

これに対し、中国は
国内外への影響が大きすぎるとして、
現状を維持してきました。
しかし、為替レートの自由化は、
先進国には避けられないことであるため、
どのような措置がとられるか
注目されてきました。

そこで候補に挙がっている方式が
通貨バスケット方式です。
これは昨年末、米ドルに連動していた、
ロシアのルーブルも採用した方式です。

ただ単に切り上げるのではなく
バスケット(かご)にまとめて物を入れるように、
数種類の通貨を組み合わせ、
仮想通貨をつくり、
これに変動幅を設け、
為替レートを連動させる仕組みです。

この方式の利点は、
急激な切り上げによる混乱を防ぐとともに、
通貨バスケット方式採用後の動きを、
採用している通貨全ての
一方通行のような変動がない限り
ある程度安定させることが
できるということです。

元々、人民元が為替レートを
米ドルに連動させていた理由は、
世界で一番安定していた通貨だったからです。
しかし、ユーロが登場し、
他にも円、豪ドルなど、
様々な通貨が米ドルに対し、
強くなってきました。

そして、人民元の力も強くなってきており、
そろそろ一人立ちができる時期に
近づいてきました。

この通貨バスケット方式が
今年中に採用されるかは
まだわかりませんが、
人民元改革が着実に進んでいることは、
確かなことのようです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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