第63回
新年快楽
【中国の大晦日】
今年は、今日(2/9)が旧暦の1月1日です。
旧暦の1月1日は「過年」「三朝」「元旦」
などと呼ばれていましたが、
新暦を使用するようになってからは、
新暦の「元旦」と区別するために、
「春節」と呼ばれるようになりました。
どこに住んでいても、
世界中の中国人にとって、
最も重要な祝日です。
中国の春節は様々な伝説や伝統がありますが、
中でも有名なのが「年」という
動物に関する伝説です。
「年」は残酷で獰猛な動物で、
大晦日に人間を食べるといわれています。
「年」を追い払うために、戸口に春聯
(大きな赤紙に縁起のいい言葉を書いた紙)を張り、
一晩中明かりを点け、爆竹を鳴らして、
「年」を追い払います。
また、春聯は「福」、「富」、「寿」などの
言葉を張りますが、
これらの言葉を逆さまに張るのが普通です。
中国語で逆さまを意味する「倒」は、
到来の「到」と同じ音です。
このため逆さまにすれば、
「福」や「富」がやってくる
という意味になります。
【一年で最も大事な食事】
大晦日の数日前になると、
家族と離れている人たちは
帰省の用意を始めます。
郷里に帰るため洋服を新調したり、
旅費やおみやげなどに
お金が必要となります。
会社から1月に
ボーナスが出るところもありますが、
そういうことが原因で株式市場では
過去、旧正月前に株が下がっていました。
帰省のために
公共の交通機関を利用する人たちは、
必要な指定席を取るために
寝袋などを用意して並びます。
そうしなければ
すぐに売り切れてしまうからです。
したがって、列車も飛行機もバスも、
常に満席になって、大勢の人が郷里に帰ります。
つまり、民族大移動が始まるわけです。
この時、ダフ屋が横行し、
いたるところでトラブルも発生します。
このように経済活動も激しく忙しい年末ですが、
一年で最も重要な食事である大晦日の
夕食のテーブルを家族全員で囲むことは、
どんなに経済が成長しても、
変わることはないでしょう。
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