「骨董ハンター南方見聞録」の島津法樹さんの
道楽と趣味をかねた骨董蒐集の手のうち

第124回
<とぴっく10>
香港パラダイスU―運び屋は中国大陸の大物

遼三彩皿

「こんなのどこから持ってくるの?」
とRさんに聞くと、
彼の走り使いをしている柄の悪そうなSと言う男が
横から声をかけてきた。
「中国大陸よ」
と、変なイントネーションの日本語で言った。
「それは分かっているけれど、品物チェック受けるでしょう」
彼は大きく頷いた。
「フリーパス。大物○○の息子が持ってくるからね」
というのだ。
○○は政治に疎い僕でさえ知っている中国大陸の大物だ。
その名をほぼ毎日新聞で見かける。
「ほんと?」と問いかけると、
「今度会ってみるか?」と言うのだ。
会ってもしょうがないし、
詰まらんことにかかわって事故でも起こしてはと思い、断った。

Rさんとの取引はそれから2年ほど続いた。
このルートは良いものがどんどん出てきたが、
あることをきっかけに取引はストップした。
香港を舞台に仕事をやった2年ほどは本当に素晴らしかった。
いくらでも値打ちの骨董が湧き出てくる
僕にとってはパラダイスのようなところだった。
日本では中国陶磁が高価だったし、
大陸からはどんどん名品が出てきたので、いい仕事が出来た。

しかしそんな良いことは長続きしないのがこの世の常。
中国古陶磁の大量出現で価格がどんどん下がり、
しばらくすると面白さが失われてしまった。
RさんもSさんもいつの間にか香港から姿を消していた。
最後に会った時、彼らはアメリカに行くと言っていた。
Sさんなんかはアフリカのパスポートと、カナダ、
そしてどうして入手したのか
アメリカのパスポートまで持っていた。

最後に一言。
今流れが逆になっている。
骨董は日本が世界で一番安く、
中国や香港などでは急速に値が上がってきている。
この動きを捕まえて、ひと勝負するのも面白いかもしれない。
骨董屋はいつも椅子に座ってボーっとしているようだが、
結構機を見るに敏だ。
もし、今このビジネスを立ち上げるならここを突け。
健闘を祈る。

唐加彩胡人力士

 


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