「骨董ハンター南方見聞録」の島津法樹さんの
道楽と趣味をかねた骨董蒐集の手のうち

第51回
商品学(ベトナム編)
6.ベトナム陶磁II―僕が見つけた宝の山

バンコクのシーロムロードに
アドンさんという骨董屋が古くから店を出していた。
バンコクに行くと僕はいつもその店に顔を出していた。
1991年4月頃だったと思うが、店に入って驚いた。
ガラスケースの中に長年捜し求めていた
安南絞手茶碗が5、6個入っていたのだ。
かつて同手の茶碗をタイビルマ国境で
一碗90万円で買ったことがあった。

「アドンさん、これどうしたの?」
「ベトナムから来たんだ。」
と彼もタイ陶磁と違う慣れない安南陶磁を
やや戸惑ったように僕に見せた。
しかしながら、やや上ずった僕の声を
彼は聞き逃さなかったようだ。
「あなた買いますか?」
と上目使いに僕の顔を覗くのだ。
「欲しいことはほしいが・・・幾らくらい?」
ときくと1碗30万くらいと
結構きつい値段を吹っかけてきた。
それをなんだかんだと交渉して20万円くらいまで下げさせた。

全部買い取ったが不安が残った。
もしこれから同じような茶碗が一挙に市場に出回りだし
値下がりすると大変マズイ。
そこでアドンさんに
「出てくる茶碗全部買うからキープしておいて」
と歯止めをかけた。
骨董は5個や10個であれば
どんな値段を出しても売れるし大儲けできるが、
売った後どっと品物が出回ると
買ってくれた人に迷惑をかけるし、
信用も落としてしまうので用心しないといけない。
だからこの手の茶碗はそんなに数もないと思ったので
彼に他に売らない様に言ったのだ。
アドンさんは嬉しそうに引き受けてくれた。

1ヶ月ほどして再度訪ねると20個ほどの取置きがあった。
あまりの数にぎょっとしたが
そのなかのよいものを5点選んで
前回と同じ値段で買い付けた。
割れた物やカセタ(釉薬が酸化してボロボロになったもの)ものも
買えといわれたがそれは蹴飛ばした。

                          (次編に続く)

 

15、16世紀 安南染付香合

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