第223回
40歳定年制の提言が盛られている『人生後半のための経済設計』
邱さんは昭和42年に「年をとらない法」を書きました。
邱さんは、その頃、会社があまりに多くの社員を採用しているため、
彼らが退職することになったら、
退職金が払えなくなるのではないかと心配したと
伺ったことがあります。
この「年をとらない法」には40歳定年制の提言や、
40歳を節にして定期収入の入る不動産を手に入れる投資法が
織り込まれています。
『人生後半のための経済設計』に寄せられた
「まえがき」の引用を続けます。
「私は昭和42年の時点で、将来、日本の企業が
退職金の支払いに難渋することを予想し、
40歳定年制の採用を提案している。
また老齢期を心豊かに過ごすための定期収入の道や
心の持ち方について、私なりの提案をしている。
これらの提案を、もし40歳だったひとがそのまま実行していたら、
今ごろ、定年を迎えるにあたって経済的に
まったく後顧の憂いのない状態になっていたことであろう。
いや、今からでも晩くない。
基本的な原則は少しも変わっていないのだから、
現時点で中年の入り口にさしかかる人にとっても、
同じように役に立つのではないかと思う。
また第II部の『財産としての家の買い方、つくり方』は
昭和44年に日本経済新聞の
『知恵袋』という欄に連載したものであるが、
数字的なものに多少のひらきが出てきたので、
その部分だけ少し手を加えた。
マクロ的にみれば、日本の国でも住宅の数が
国全体の世帯数をオーバーして
空家が目立つ時代に入ったので、
『貸家に住む』という考え方も成り立つようになってきたが、
マイホームへの志向は依然として高いし、
マイホームをつくるに当たって、
私のように何回もやり直す人は少ないから、
初心者でもあまり失敗がないように
ご参考にしていただければ有難いと思う」
(『人生後半のための経済設計』まえがき)
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