Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第133回
金儲け発想の原点をつく『世の中どう変わる』

邱さんが台湾に帰国した1ヵ月後の昭和47年5月に、
「世の中どう変わる」と題する本が
日本経済新聞社から刊行されました。
この本は昭和46年から2年間に、あちこちの雑誌に
執筆された新商売と投資に関した作品を集めたものです。

ちなみに、邱さんは「毛生薬」の発売に着手したり、
昭和46年ごろに全国で始めて
ビジネス客専用のホテルを企画、開業し、
これに「ビジネスホテル」と名づけて、
アチコチでこの新商売について講演しています。

こうした新商売を実地で体験したことにもとづき
邱さんは「いつの時代でもそうだが、
現代はとりわけ物の考え方が事業の成否を決定する時代である」
「政治や思想の問題だけが
物の考え方と関係があると思ったら間違いで、
金儲けや商売もすべて物の考え方を基礎として、
その上に築かれたものである。」
(『世の中どう変わる』あとがき)と書き、
次のことを主張しています。

「世の中を暗いものと思い込み、
ますます悪くなくなっていくものだと考えている人は、
暗い面と悪い面しか見ようとしないから
袋小路に迷い込んでいくよりほかないであろう。
反対になんでもうまくいくものだ、
なあに、世渡りなんてチョロイものだと考えている人も、
同じように壁に頭をぶつけてしまうだろう。
なぜならば、世の中にはいろいろと複雑な仕組みがあり、
錯綜した人間の心理の動きがあり、
それが時代とともに動いていくからである。
長い目で見ると、大きな変化が起こるけれども、
その動きは少しずつしか起こってこないから、
それに対する認識が正しければ、身に処していけるわけで、
極端に悲観する必要もないが、
極端に楽観することもないであろう」(同上)

「また物の考え方がいくら大切だといっても
考えているばかりだったり、
傍観者の立場に終始していたのでは、
何も考えていないのとあまり変わりないであろう。
私は思えばすぐ実行に移す習慣を自分に課してきたので、
次々にそれを仕事の上に反映させてきた。
その際、自分が体験したことを
その愚かさや失敗も含めて書いたのが『商売のヒント』であり、
それがこの本の主たる部分を占めている。
これらの体験は、私にとって
お金儲けの行為そのものであるよりも、むしろ
『お金儲けの発想』の実験のようなものであろう」
(同上)


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2003年1月7日(火)

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