Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第79回
専門家の助言に耳を傾けて大失敗

日本経済新聞の前身である中外商業の社長をつとめ
経済評論家としても活躍した小汀利得さんという
人がいました。
歯に衣を着せぬ話ぷりで人気がありました。
邱さんは株を買ったばかりの頃に
この小汀さんと株について話す機会がありました。

「それからしばらくして『時事放談』で人気を博した、
小汀利得さんとテレビの対談でいっしょになって、
帰りの車のなかで、こんどはじめて株を買ってみたんです。
とお話したら、どんな株を買ったかと聞くんです。
小汀さんは、元日本経済新聞の社長さんで、専門家ですからね。
日清製粉、野田醤油に、台糖、日本碍子などを買ったといったら、
『いかにも邱さんらしい人の裏銘柄の買い方だけど、
日本経済は順調に推移しているから、
もっと表に出て、第一級の銘柄を買ったほうが
いいんじゃないですか』
『第一級の銘柄って何ですか』と聞いたら、
造船とか自動車の株のことだ、そんな株の話になったのです」
(『株の原則』)。

さて、経済の専門家からアドバイスされて
邱さんの投資行動に変化が起こります
「小汀さんにいわれたというわけでもないんですけれども、
そのあと、日本碍子の株を売って
トヨタ自動車やら日立造船の株に乗りかえたんです。
そうしたら、日本碍子の株がワーッと上がったのに、
表銘柄と呼ばれるような株は、ぜんぜん上がらなかった。
最初に目をつけた株を持っていれば、よかったんです。
おかげでそれからは経済の専門家のいうことは
聞かないほうがいいと、思うようになりました。」
(『株の原則』)

「専門家の話は、経済の動向がどうなるか、
という点では参考になるかもしれませんが、
経済の動向と株価の動きが一致するわけじゃないんです。
一致するなら、経済のうごきだけ見ていればいいのです。」
(同上)
この一件はのちに『失敗のなかにノウハウあり』という本で
「株初体験は専門家の助言で大失敗」と書かれる
体験の一つとして長く記憶されることとなりました。


←前回記事へ

2002年11月14日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ