16歳より歩み始めた料理人という職業、今年で19年目になります。
イタリアンでいうと20歳からですので15年。
その中で海外生活はイタリアで3年と中国北京で現在4年4ヶ月。
合計=7年4ヶ月は海外のレストランでの仕事となります。
これは自分自身でも驚くべき数字で海外生活の長さよりも、
中国生活がイタリアを上回っていたことです。
30歳のとき井川直子さんに邱先生を紹介していただき、
北京三全公寓でのイタリアン事業に参加してから
早4年以上の月日が流れたのですね。
やはり密度の濃い生活を送っていたせいか、本当に「あ゛っ」と言う間でした。
イタリア料理を志す料理人に中国北京は全く想定外の国です。
現地の情報も中国語も右も左も何もかも分からないまま、
邱永漢事務所を後にしたのがつい最近の事のようにも思えます。
海外で仕事をして改めて日本という国の素晴らしさを感じたり、
反対に日本人も見習うべき事も教えてもらえたような気がします。
そして国籍を問わず色々な人達との出会いが
確実に私の世界観を変え視野を広げてきました。
共感しあったり喧嘩したり、尊敬できる人に出会ったりとんでもない部下を持ったり。
その全てが私にとってのプラスだと思っています。
「運命」なんて言葉で片付けるつもりはありませんが、
何か理由があるのではないかと・・・。
出会った人全てにあてはまらないかもしれませんが、
きっとそれも考え方次第なのでしょうね。
今回の「第33回 泊のメモ帳 終わりなき旅」で最終回となりました。
「この文章を書く」という機会を与えてくださった邱永漢先生に心より感謝しております。
全く別の角度から自分を見ることが出来たし、
言葉の大切さや気持ちを伝えることの難しさを身に沁みて勉強することが出来ました。
本当に有難う御座いました。
ならびにhi-Q編集部の方々有難う御座いました。
更新前日まで仕上がらなかった事が幾度かありましたのでご迷惑をお掛けました。
そして何よりこのコラムを読んでくれている読者の人達、
応援や励ましのメールをくださった方々、
私とお会いした時に、「いつも読んでます!」と言ってくれる友人、
コラムを読んでレストランに足を運んでくれたお客様、
本当に有難う御座いました。
そして最後にこの場をお借りして書かせていただきます。
いつも陰で支えてくれて応援してくれている
父・母・姉に感謝の気持ちをいっぱい込めて「ありがとう!」
そしてまだまだ日本に戻るつもりはありません。
僕の「終わりなき旅」は今やっと靴ひもを結び終え歩き始めたばかりです。
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