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3.農業と私(2)

「農業は楽しい」心から私はそう思っています。
人と人との呼吸・人と作物や自然との呼吸・農作物と社会との呼吸、
すべてうまく噛み合わなければ儲からない産業だからです。
その呼吸を合わせるために、
長年培ってきた農業者と販売業者の技が光ります。
そのタイミングを見極めるのが何よりも楽しいと感じるからです。

そんな私は、埼玉の住宅街育ち。
ごく普通のサラリーマンの家で何不自由なく育ちました。
父の転勤で福島に移り、
初めて作物をつくる農業者の方を目にしました。
見たこともない道具や機械、農業者の生活リズムに興味を持ち始め、
気がついたら小学校の裏山で
担任の先生にチンゲン菜の栽培方法を教えてもらっている程、
のめり込んでいたのです。
これが、農業と私の出会いです。

数年後、発展途上国で農業技術者として働きたいと夢を持ち、
農学部に進学しました。
長期休暇を利用して、国内外の農業研修に多々参加しました。
農業を知らない私に、鎌のとぎ方から、病害虫の見分け方、
土と作物への考え方まで、
いろいろな事を勉強させていただきました。
しかし、次第に、
なかなか儲からない日本の農業経営システムに
疑問を持つようになっていきました。
一代で大規模農業を成功させるアメリカの農業経営に興味を持ち、
長期研修を受けたこともあります。

その後、生産者から消費者まで巻き込んだ
循環型農業をしている農場に弟子入り、
農作物の販売会社を経て、
オーガニック認証やトレースサビリティの勉強をしました。
そして、ドミニカ共和国で有機農業の指導を行い、
夫と出逢ったのです。

農業との出会いは全く違う二人ですが、
東洋一素晴らしいコーヒー農園になるよう、
雲南の山奥で日々コーヒー栽培の研究をしています。
皆様のもとに、
素敵なコーヒーをお届けできる日を楽しみにしながら。
(田代司)


2009年12月23日(水)

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