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45.地域開発と変化の狭間で

現在、雲南コーヒー産地一帯では、
中国の他地域と同様に、かなりのスピードで開発が進んでいます。

ほぼ全ての主要な公道は、この2~3年の間に、一気に舗装整備され、
ボコボコ道は裏道以外、ほとんどなくなりました。
さらに道路の拡張や高速道路建設など、どんどん進んでいます。

産地を流れる怒江には、13ヶ所の水力発電ダム建設の予定がありましたが、
生態系破壊や少数民族の生活を脅かすとかで問題になり、
現在4ヶ所にて発電所建設が進行しています。
以前は昼でも夜でも停電はしょっちゅうありましたが、
最近はほとんどなくなり、安心して加工できるようになりました。

そして、町開発と観光開発。
加工場から少し離れたところに小さな町があり、
2年前に鎮政府が場違いともいえる大きな母屋を建てました。
その周辺に新しい町を作るべく、コーヒー農園だった土地を切り崩し、
3ツ星ホテルや住宅商業施設、タイ族風寺院などを建てています。

新しい病院や学校などは必要だと思いますが、
わざわざ丸ごと町を作って、一体誰がこんなところに住むのだろう?
と、僕はかなり懐疑的です。
しかし、250m2くらいの3階建ての店舗物件に、
嘘かホントかすでに80万元の値がついているとの話も耳にしました。
こんな山と川とコーヒーしかない農村で80万元ですよ!
バブリーというのかクレイジーというのか、
まあ僕とは関係のない事なので遠くで様子を眺めています。

もうひとつ、邱公館の加工場のすぐ裏山の一帯を、
政府と民間企業が何と5000万元かけて観光地にする計画が進んでいます。
別荘風のホテルとタイ族の民族村と、他にどうするつもりなのか良く知りませんが、
村の人手を全部とられたら困っちゃうなあ、と今から少し心配です。
村の人たちは、村が綺麗になって、人が沢山くるようになって、
雇用・収入が増えて、ととっても喜んでいるようですが、
こんな内容でほんと観光客くるの?
とまたしても僕は疑心暗鬼になっています。

万が一、観光客が沢山訪れるようになれば、
邱公館加工場はその通り道にあるので、
加工場でドライブインカフェとお土産屋でも開けば面白いかも、
などと能天気に妄想していますが、
この開発中にたんまり儲けようとしている人と、
開発後の営業や転売等で儲けようとしている人との間で、
すでにババ抜きが始まっているようで、
何となく薄気味悪い感じがしています。


2008年2月1日 <<前へ  次へ>>