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27.ブレーク寸前の観光地・騰衝

今、雲南省でもっとも可能性を秘めている観光地といえば、
保山市の騰衝県に間違いないでしょう。(県は市の一地域になります)

騰衝県は総面積5,800km2、総人口60万人ののどかな田舎町で、まだ空港が開通していないため、保山市から車で3時間半かけて行くしかありませんが、昨年度(2006年)は約245万もの人が旅行やビジネス等で訪れています。(その内半数以上が省外から)

これまでご紹介したように、
騰衝は南方シルクロードの交易地や抗日戦争跡地としてもよく知られているところですが、
80以上の温泉を有する中国三大地熱区の一つでもあり、
日本の熱海温泉を参考にして開発されたという、
その名も「熱海」という人気の温泉公園があります。
(日本の熱海と趣きは全く異なりますが。)
また騰衝はヒマラヤ山脈地質構造体のインドプレートと欧亜プレートの結合部に位置し、
断層が多く地殻変動が激しいため、周囲約750km2の中に97もの火山があります。
300年前まで噴火していた火山もあり、
現在「中国国家地質公園」として観光の名所となっています。

さらに町中心から約3km離れたところにある人口約6000人の和順郷は、
長い歴史と数の多さで、華僑の郷として全国的に知られています。
村人の約8割が海外の出稼ぎから戻ってきた元華僑で占められており、
東南アジアや日本・アメリカ等10ヶ国以上に3万人以上の華僑を送り出しています。
和順郷には清朝末期の1928年に華僑の援助によって建てられた美しい図書館があり、
当時の貴重な資料他、約7万冊もの書籍が収められています。
この和順郷は、2005年に中国中央テレビ局の
「中国で最も魅力的な村大賞」に選ばれました。

騰衝はまたミャンマーとの交易の盛んなところでもあります。豊富な天然資源を有するミャンマーから原料を仕入れて加工しているところを町のあちこちで見かけます。特に翡翠、木材、籐等の産業が目立って盛んで、翡翠に関しては、2005年にアジアジュエリー連合会より、
「中国第一の翡翠の町」との称号を与えられています。

以前邱先生が騰衝を視察した際、県政府のトップの方にお会いしましたが、
その方は、騰衝を内陸部の深セン(沿岸部の開発特区)にする、と豪語していました。
保山市の一地域であるにかかわらず、
道路や電気など域内インフラがかなりしっかりと整備されており、
(日本のODAもかなり貢献しているようです)
現在建設中の空港が開通すれば(2009年予定)
世界中から観光客やビジネス客が大勢訪れることになるでしょう。

この騰衝、現在どんどん観光開発が進んでいますので、
訪ねるなら早いうちが絶対オススメです。


2007年9月14日 <<前へ  次へ>>