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4.乾季はメデタイ

日本とほぼ同じ面積を持つ雲南省では、温帯・熱帯・寒帯など様々な気候帯を持ちます。
コーヒー産地は亜熱帯性の地域にありますが、ここでは乾季と雨季が毎年繰り返されます。
10月から4月くらいまでが乾季で、コーヒーの収穫は主にこの時期に行います。

そしてタイ族の村ではこの乾季の時期が結婚ラッシュとなります。
特に比較的気温の涼しくなる11月から2月ごろがピークで、周辺のタイ族の村のあちこちで結婚式が執り行われます。
彼らの宴会は3日間行われ、この間は両家で朝から晩まで食事と白酒が振舞われ、何百人とご近所さんが集まります。
そして招待された人は日本と同じように受付でご祝儀を払い、きちんと記帳もされます。
日本人の僕はたとえ超質素な生活をしていても、ここでは超お金持ちと思われてしまうので、がんばって見栄を張って彼らの何倍かの祝い金を払ったりします。

そしてその後は白酒の嵐です。

僕にとって彼らの結婚式は、お金を払ってまで恐怖の白酒を飲まなければならない涙が出るほどに辛い催しです。(そういえば“辛”と“幸”は似てますね。)

つい先日も、元スタッフだった女の子の結婚式がありました。
宴会2日目のお昼過ぎ新郎新婦は互いの家に挨拶に行き、その家の長老から訓示を受けることになっています。
それまでニコニコしていた新婦も、うつむき加減になり、表情をうかがい知ることもできません。
さっきまで僕に何度も白酒をすすめていた親父さんも、この時ばかりはしんみり佇んでいます。
この瞬間の寂しさはきっと万国共通なんだろうなあ、としみじみ感じながら、この隙に僕はこっそり宴会場を立ち去りました。


2007年4月6日 <<前へ  次へ>>