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219.中国版インターネットミリオネアの成敗

インターネット産業ではミリオネアを目指して、
多くの才能ある人物が事業を起こしています。
同産業がGDPに占める割合が発表されていましたが、
中国は世界でもインターネット産業が盛んな上位3位につけており、
英国8.3%、韓国7.3%に続く5.5%を占めるそうです。
ちなみに4位はアメリカで4.7%、日本は3.7%とのことです。

中国に住んでいてネットで便利なのは、
はじめが淘宝(タオバオ)という電子ショッピングサイト、
次に来るのが映画やTVドラマなどを視聴できる
優酷網(YOUKU)、土豆網(TUDOU)といったサイトでしょうか。
以前の絶世美人便りでも話題にしたことがありますが、
これらのサイトは著作権を無視したビジネスモデルから始まり、
現在は版権購入などのコスト増に悩まされています。
そして、最近ついにYOUKUとTUDOUが合併することになりました。

日本に住む方にはこのようなサイトは馴染みがないので、
あまり興味深いニュースではないかもしれませんが、
TUDOU社長の栄枯盛衰の話が興味深いのです。

TUDOU社長は王微(わんうぇい)氏。
彼が2005年4月15日に動画を共有できるサービス土豆網を開始しました。
この8日後にYoutubeがサイトを開始させたので、
中国初だけでなく、世界でも動画共有サイトの草分け的存在です。
その後、後発のYOUKUなどと共に
中国の動画共有サービスを発展させて来ました。
YOUKUがNY証券取引所に上場し資金の調達に成功している頃、
TUDOUには王微氏の離婚問題がありました。
主要株主でアナウンサーの夫人と離婚して、
ゴタゴタしているうちに、上場の機会を失ってしまったのです。
結果、版権購入やサーバー維持費などのコスト増に対応できなくなり
YOUKUに吸収されることになりました。
インターネット上の新しいサービスを発明した世界的パイオニアから、
たった7年で敗軍の将へと転身したのです。
1973年生まれで私ともあまり年齢が離れてない王さん。
彼は事業の舵取りを失いはしましたが、
何もかも失ったわけではありません。

彼が語った言葉が印象的です。
「もし結果だけをみるならば、
どの会社も将来的には「死」を迎えるではないか。
生きている間にどれだけ面白いことができるか、
それが大事ではないか」と。
インターネットの世界では大企業でも
7年で命を終えるようなせわしない世界。
革新が続くなかで、
パイオニア達は人々の生活や世界を如何に変えたか、
ということに浪漫を感じ、情熱を燃やしているのです。
大きなことを成し遂げた、情熱と魅力あふれる人物ですから、
今後の王さんの動向が気になってしまいます。

絶世の活動情報 : www.zessei.com


2012年3月23日

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