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178.中国で議論するなら

前回も触れた給料交渉ですが、
交渉時に社員の個性がよく表れました。

Aさん:「私は小松先生たち幹部と違って、
一年ごとの労働契約で働く、
いわば打工(だーごん:アルバイト)の身。
将来の保証がないのですから、給料だけが頼りです。
ですから、大台に乗せてください。」

Bさん:「同級生と食事しにいって、
給料の話をすると、私が一番低いんです。
自信がなくなってしまいます。」

Cさん:「この会社が好きです。
折角、要領も判りだして、好きな職場なので、もっと頑張りたいです。
でも、彼氏が故郷に帰ってしまって、一人暮らしの負担が大変です。
両親への仕送りもあるし・・・。」

みんな好き放題のことを話します。

中国では「断章取意(どぅあんじゃんちゅうい)」
と呼ばれる交渉方法です。
文節を無視して、自分の都合のよい様に解釈する、
といった意味でしょうか。

誰かに教わるのかどうか知りませんが、
中国でこれが出来ない人はいないのではないかと思います。

給料は労働の対価ですから、
「これだけ貢献しているし、責任も果たしている」
という話が欲しいところ、
こんな交渉をしていると、頭にくるところです。
しかし、交渉にはそれぞれ思惑があります。
交渉がどうしようもないときは、
そのまま伝えた方がよい場合もあります。
交渉相手とはいえ、生身の人間です。
期待している社員だったら尚更。

Aさん、Bさん、Cさんとも、
捨て身の覚悟で本音を話すのですが、
やはり本音も諸刃の剣で、
「そんなこと考えていたのっ!!(驚)」
と逆効果になることもあります。

私も中国で「断章取意」を乱用していますが、
あまり頼りすぎないようにしないといけないですね・・・。


2011年6月17日

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