先日、中国人の老板(社長)さんと会食する機会がありました。
日本についても見識のある方で面白いお話をさせて頂いたのですが、
ひとつ印象に残った話がありました。
「中国はまだ発展途上国です。
貧富の差が激しく、農村では未だに飲み食いに困る人たちがいます。
だから、ここ30年は発展途上国でお願いしたいんです。」
それを聞いていた人たちは
「もう中国は発展途上国じゃないでしょ!」と笑いましたが、
老板さんはこう言いました。
「NHKでやっていた“官僚たちの夏”というドラマを見ました?
私が一番印象に残っているのは佐藤浩市演じる日本の官僚が
「日本は未だ発展途上国なんです!」
と何度もいうシーンでしたよ。」
わたしも見たことがあり、
細かいシーンまでは思い出せませんが、
1960年代の日本を背景に、
官僚たちがアメリカの圧力に負けずに、
一生懸命に自動車、コンピューターなど自国の産業を
守り育てようとする姿でした。
日本が簡単に外圧に屈してしまい、
国益を守る事も難しい時代に育った私は
ドラマの中の熱い官僚たちの姿に非常に感動しました。
時代が変わり、外交上手の中国の出番となれば、
日本以上に外圧に屈することなく、自国産業を育ててゆくはず。
老板がいった「あと30年は発展途上国」というのは
少し大げさのようですが、中国は国内産業保護を続け、
中国企業で世界的大会社が増えてゆく方向にあるのでしょう。
海外に暮らしていると日本人を強く意識する訳ですが、
ここ最近のニュースを見るにつけ、
「発展途上国」の免罪符をもって甲斐性ある中国と
競争力を失いかけて押されがちの日本の対比が
いやでも目についてしまいます。
幸い私たちは海外にわたるのもそう難しくない時代に生まれました。
邱先生のメッセージに心を打たれ、中国にきて3年になりますが、
国境に捕われない考え方で仕事をしてゆくことが
これからもっと重要になってゆくなあと
実感するこのごろです。
王振国先生を囲む会へのたくさんお申し込み、
誠に有り難うございました。
おかげさまで定員いっぱいのお申し込みも頂きましたので、
申し込みを締め切らせて頂きます。
王先生の講義については後日レポートさせて頂きます。 |
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<つづく>
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