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121. 日本人の潔癖性

私は以前日系メーカーに勤めていて、
台湾向けのIT機器販売を担当していたことがありました。
現地の代理店と用途提案や価格提案を
練りに練って応札するのですが、応札後にも関わらず
「ライバル会社が担当者に賄賂を渡したから、
それ相応の値引きをしてくれないと厳しくなった」
等と現地の代理店から報告があり、
独特の商習慣に頭を悩ますことが度々ありました。
担当は目の前の問題を解決するために
価格の仕切り直しも考えるのですが、
社内では
「中華圏担当の奴らがまた色々な理由をつけて
バーゲンしようとしている」
と白い目で見られることがしばしばありました。

中国に来てから日本をみると、
日本も善し悪しは別として
日本にも特別な商習慣があるし、
中国人からしたら
日本人の仕事の仕方はかなり独特だと受け止められます。
特に日本人は仕事の進め方に自信があって、
自分たちのやり方が一番と考える傾向があります。
中国の庭で稼がせて貰っていても、
「日本はこうだから・・・」と
日本流のやり方で仕事をすすめたいのが日本人のようです。
隣国の大国への理解が不足がちになるのはそのせいかもしれません。
特に、中国では仕事の進め方へのこだわりよりも
稼ぎたいという気持ちが何歩も先に来る点。
便宜をはかる個人へ恩賞を払う習慣など。
日本に長く住んでいた人には
容易には相容れられないことが多々あります。
中国で日本のような綺麗な道を探していたら、
歩く道がなくなってしまうのかもしれないのですが。

中国に進出して事業を拡大している日系会社であれば
駐在員だけでは間に合わず、
現地の優秀な社員を幹部に登用する必要に迫られます。
知人が勤める会社では
中国人に総経理を任命したものの、
ある特定の会社に下請けにだすことが多くなり、
実はその会社がその総経理が密かに作った会社だったと
暫くして分かり、直ぐに交代させられたそうです。
かなり信頼されていた人が
まさかそこまでやるとは思いもしなかったでしょう。
日本人と中国人の稼ぐ事に対する情熱の温度差を
もっと知る必要があるようです。

<つづく>
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2010年5月14日

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