トップページ > 絶世美人便り > バックナンバー

   毎週金曜日更新

115.谷歌(グーグル)が失い、わたし達が学んだもの

Googleが中国本土から撤退したらどうなるのだろう?
同社は中国政府の情報検閲の撤廃をもとめるも、
交渉は実らず営業拠点を香港に移動しました。
私たちも谷歌(Googleの中文名)に広告を出していたので
結構大きな関心事でした。
中国のネット・ヘビーユーザーの間では、
唯でさえ米国や日本で流行しているFacebookや
Twitter等のソーシャルネットワーキングサービスに
中国政府の規制のおかげでアクセスできずに、
「流行に乗り遅れる」だとか「新しい商機を逃してしまう」
と不満がありますが、さらにGoogleまで撤退したら・・。
中国に住んでいたらITの最新文化から
取り残されてしまうのでは・・・。
なんて悲観的な声が飛び交っていました。

そこで、私たちが以前Googleに支払った
広告料金のデポジットが僅かに残っていたので
返してもらうように電話をしたところ、
「サービスは香港から行い、今までどおりご利用頂けますよ」
という返事を貰いました。
現在、北京からGoogleで検索を行っても、
香港のサーバーに飛んで検索結果が出るだけで、
確かに使用環境に殆ど変化がありません。

しかし明らかに変化したことがあります。
IT関連の会社社長を務める中国人の友人の話ですが、
「中国政府とGoogleの交渉は大人と子供くらいの差があるよ。
Googleが大陸で創出する雇用や価値が幾らのものなのっ!
中国のGDPに占める割合は何パーセントもないし、
そうした一事業者の発言が、政府の怒りを買うことはあっても、
影響力を持つはずがないじゃない!
そして香港で未だに営業しているのも可笑しいわ!」
Googleの評価は中国でがた落ちになってしまいました。

正義を唱えだした瞬間から不幸が始まるとは言いますが、
だれでも批判されるのは嬉しくないもの。
ましてやGoogleは中国政府が13億人の国民の前で
面子を失うようなハードな交渉をしました。
国際世論と同社の先駆的検索エンジンを武器にした交渉も
中国の人の殆どが百度(国産検索エンジン)を
使っていることを冷静に考えると、
今回ばかりは天下のGoogleも、国際世論に流されず
あくまで国益を追求する中国政府との
付き合い方を誤ったようです。

<つづく>
絶世の活動情報 : www.zessei.com


2010年4月2日

<<前へ  次へ>>