わたしは以前、水道やガス、電気のメーターを読み取って
請求書を発行する、ハンディーターミナルという機械を
海外に販売していたことがあります。
マニアックな業種でしたが、韓国や台湾、中近東、
東欧のガス、水道、電気会社を訪れて、
各国のメーターを調査し、現地の文化に触れることができたので
とても楽しい仕事でした。
この手の業種で結構シェアあるシステムを扱っていたのですが、
なぜか成長著しい中国では
このシステムの引き合いが少ないようでした。
自分は担当してなかったこともあり、
中国に来たら気にかかっていたメーター事情のなぞを
調べてみたいと思っていました。
こちらに来てわかった理由は簡単でした。
中国は人を信じない「不信」社会なので、
水道や電気代などは前払いが基本で、日本やその他の国のように
使った分に請求書が発行されるのとは違うということでした。
電気、水、ガスは銀行に買いに行きます。
銀行で、ガス、水、電気カードにお金を添えて渡し、
お金が補充されたカードを家のメーターに挿入します。
病院すらも前金制で徹底されていて、
慣れれば、中国ならではの、
とても合理的で素晴らしいシステムだと感じますが、
デポジットがなくなり、電気もない原始生活に戻った、
という知人の笑い話を何度か聞いたことがあります。
でも、なにも不便なことだけでもありません。
こと、世界的に問題となっている水問題については、
進んでいるところもあります。
中国、特に都市部では、
水道に「上水」、「下水」だけでなく、
「中水」を採用して、水の効率利用を行っています。
中水道というのは、汚染度の低い水や雨水などを処理して
身体に影響のない用途に供給される水のことです。
北京市では、ある程度の規模のマンションや商業施設、公共施設に
中水処理施設の設置が義務づけられています。
絶世健美がある三全公寓マンションにもあり、
お風呂で使用した水をマンション内の地下施設で処理して、
トイレの水に使っています。
北京は慢性的に水不足ですので、
こうした設備投資が必要な対策でも徹底して導入されています。
日本では中水道の導入が限定的だと聞いていますので、
トイレの水も上水道で飲めるところが多いと思いますが、
(飲む人いないですね・・・)もったいないですね。
中水を利用しているマンションでは、
「上水」と「中水」の2種類を予め購入しないとだめなので
とても面倒です。
うっかり買い忘れ、トイレが流れなくなったら大変です。
でも、渇水問題の解決に政府が市民に求める少しの手間など、
渇水問題の深刻さに比べたら、ほんの僅かなもの。
料金も安い「中水」、有難いものなのですね。
<つづく>
絶世の活動情報 : www.zessei.com
|