私はスパルタ教育の家庭に育ちました。
子供の頃一週間に九つも塾に通い、いまでは
どうやってやっていたのか思い出せないぐらいです。
学校の先生が家庭訪問にくれば、うちの父が
「先生、うちのは死なない限り何しても構いませんから。
骨の一本ぐらい本当に折ってもらっても怒りませんから。」
と言っては先生を困らせていました。
家族でスキーに行けばストックでバシバシに殴られ、
一日30分のピアノのお稽古が嫌でさぼると、
鼻血が出るほど殴られてピアノの鍵盤を赤く汚していました。
そんな私ですから根性だけはつくわけです。(笑)
また自分が努力をしいられてきたものだから、
努力してない人間をみると、これまた腹を立てるという
未熟さを身につけてしまったわけです。
思い起こすと今年はその未熟さが露骨に表に出て
多くの人に怒りの矛先を向けました。
こんなことを書くと笑われるかもしれませんが
「どうして俺は人に優しくできないんだろう?」
というコラムをいつか書こうと真剣に思っていたくらいです。
そこで登場するのが小野親方です。
その日、「いやーなんか腹の立つことが多くて」
という話を冗談っぽく口に出したら、
小野親方がこんな風につぶやいたんです。
「そりゃー皆さん生まれてきたからには褒められたいわな。」
これまた衝撃の走る言葉でした。
赤ん坊をみるとみんな優しい顔で近づいて行き微笑む。
みんなそんな可愛いところからスタートしているのに
ちょっと大きくなっただけで何を俺は怒ってるんだろうか?
そりゃー褒められたいよな、
せっかく生まれてきたんだものね。
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