| それは、偶然の出会いでした。タイに行く飛行機の中で見た機内誌の中に
 こんな記事を見つけました。
 ”日本人がやっているフランス風パン屋さん”
 中身を読むと、なんとも魅力的な内容に反応した妻が
 「ねえ、行ってみない。」という言葉に
 当時は大した期待はしていませんでした。
 訪れた店は、小さな店でした。 左がパン工房、右が小さなカフェ。
 見ているだけでワクワクするようなパンの陳列に
 思わず多めに注文をしたあと、
 コーヒーとカフェ・ラテを注文しやってきたのは、
 
 パン・オ・ショコラ。
 
  その味は、衝撃的でした。
 恐らくパンを食べて感動したことは人生で数回しかありません。
 バンコクのスコータイホテルのクロワッサンとかがそうですが、
 今回の衝撃はその時以上だったと思います。
 
 少し信じられない思いで前に座る妻に
 「ねえ、これ美味しいよね!?」
 と自分が感じていることが間違ってないかと、
 確認をとりました。
 それぐらい美味しかったのです。
 
 結果、その日から4日間
 我々家族はそのパン屋さんに通うことになりました。
 
 最終日に美味しさへのお礼を言うために
 オーナーに挨拶をさせてもらいました。
 バンコクに乗り込んできて6年間必死に頑張ったそうです。
 
 たくさんのパンを鞄に詰めて成都に戻りました。
 そしてそれ以来、
 僕はそのパンのことが忘れられなくなってしまったのでした。
 
 パンに恋したのは初めてことでした。
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