ユッケ問題から始まり、
つい先日のガストの問題まで今年に入ってから
食に関する問題が相次いでいる印象を
日本の国外から見ていて感じます。
年に数回帰る日本でも、何から何まで
既に日本の方が安く感じます。
いや、実際に安いのです。
私が日本を離れた6、7年前、
自宅付近のトラックの荷台で売っていた弁当は
500円が最低価格でした。
この前、気づいた時は280円でした。
飲食業を営むものとして内情までよくわかった上で言うのですが、
合理化という名の下でコストカットをする事はいとも簡単です。
短期的には、トップの掛け声一つで
中小企業なら特にすぐに効果があらわれてきます。
やった事には、必ず結果がつきまといます。
食材コストを下げれば、
必ずそれに気づく顧客がポツリポツリとで始めるし、
人を減らせば、顧客のスピードに対する要求に
少しづつ答えられなくなる。
厨房に入る職人の給与が高いと言っては、
大学生や高校生のアルバイトでも
可能なオペレーションを開発して、
なんでもセントラルキッチン化していく。
けれど、これをやると数年に1回
驚くべき事件が起き始めるわけです。
衛生や食品安全の知識がない人がやるわけですから。
最近のニュースを悲観的に捕まえて、
日本の偉大なるフードシステムを否定しているのではありません。
言いたい事は、
安すぎることは、自分に振り返ってくるよ
ということを消費者も知らなければいけないし、
企業は、デフレに音を上げるのではなく、
商品・サービスの値を上げる勇気を持つ。
本来企業活動の本質的な価値である付加価値を高く積み上げて、
その報酬であるお金を頂戴するところに回帰していかないと
日本中が、何かをすっぽ抜かした
安いものだらけになってしまうようで心配になります。
日本よ、高くても良いものを。
それが日本人にしかできないことの1つです。
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