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176. どれだけ無駄をしたか

どれだけ人生で無駄をやってきたことやら。

無駄な人生を送ったのではありません。
人生において無駄と思われることを多くやっただけです。

結果の無駄とプロセスの無駄は意味が違います。

誰もが言うことなので面白くないかもしれませんが、
一見無駄と思われることが人生で意味を持つことや、
無駄の繰り返しが
最高に美しい作品や仕事を作り出すことは多々あります。

アップルのスティーブ・ジョブスが大学を中退して
カリグラフィーをやったことが
後のアップルの美しいフォントを作り出す基礎になった話は、
昨年か一昨年の
スタンフォード大学の卒業生に向けたスピーチの中で紹介され
世界を感動させましたが、
そこまで行かなくても私にも似たような経験はいっぱいあります。

1枚の資料を作るのに、10時間以上をかけたり、
何十枚もの資料を作り直したりしたことは何度もあります。

不思議なもので、山を登っている途中は
何から何まで無駄に思えるのですが、いったん頂上を覗くと、
無駄があってこそだとわかるものです。

中国に来て、特にたくさんの無駄をやりました。

でも、そういうものが人生の筋肉をつくりあげるんですね。

僕は、武田鉄也さんが昔言っていた言葉が好きで

「俺たちみたいに昔農作業で鍛えた体の筋肉ってのは、
やっぱりジムとかで作った体とは全然つくりが違うんだよね。
それはさぁ、米とか俵とかを1時間も運んでみれば
はっきりとその差が出てくるから。」

いや、俵を運べることが良いとか言ってるんじゃありません。

でも、苦しい時期が誰にもあって、
ほんとに先が見えないことがあると思うんですけど、
自分が決心してやっている無駄は、無駄な人生にはならずに、
人生における意味のある無駄であると思う、
ってことだけをなんか伝えたくなったんです。


2010年8月9日(月)

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