先日、邱先生が成都にこられたとき、
いつものように成都の親分である王さんとも一緒に食事をしました。
この王さんについては以前も紹介しましたが、
邱永漢グループきっての苦労人と呼ばれ、
なおかつ大成功を収めた人です。
王さんは20代のころ台湾の中部、
台中というところで貧しい暮らしをしていました。
当時、邱先生が台湾の政府に請われて台湾に戻った新聞を見ると
一大決心で邱先生のドアを叩き秘書として働き始めました。
そのころは、住む家もなく、丸一日先生の車を運転し、
ご飯を作り、先生の服を洗い、
そして夜はオフィスのソファーで寝るというような
暮らしをしていました。
そんな苦労人の王さんですから
我々と会うたびに先生から学んだこと、
自分の人生で得た教訓を我々に教えてくれるのです。
今回の教えはこれでした。
「開心是開運的秘訣」
中国語で「開心」とは「愉快である」という意味です。
愉快に生きることが運を開く秘訣だというのがこの言葉の意味です。
愉快に暮らしていると自然に笑顔の多い生活をおくることになる。
笑顔の人は余裕があるから、
周りの人も安心して相談したり多くの仕事をもってくる。
そして笑顔からもたらされた人や仕事のつながりを通じて
どんどんと発展してくる。
という簡単な理屈です。
一瞬子供を諭すような簡単な理屈ですが、
わかる人にはわかると思います、この重みが。
事業には2つの特性があります。
1)常に問題が発生している。
よくマネージメントという言葉を我々は使いますが、
マネージメントとはマネージすること、
つまり「なんとかやりくりすること(問題解決する)」
ということです。
2)常に忙しい。
なぜならそもそもビジネスの定義は、
Business=Busy+nessだから。
問題をうまく解決できずに忙しい状態が続くと、
人間は過剰なストレスで表情が硬くなってきます。
逆に問題がうまく解決できる人間は、
どんな問題にぶちあたっても、
時間と頭さえ使えば解決できることを知っており、
平常心でもって問題解決にあたることができます。
つまり、
愉快な人=能力のある人
よりレベルの高い愉快さは、
自分を磨くことではじめて達成できます。
「開心是開運的秘訣」
私はこの言葉をそっと心の中にしまいこみ、王さんに感謝しました。
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