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153. 商売の秘訣=喜びの最大化÷価格の適正化

最近、“良いもの”をたくさん体験するようにしています。

私が営む焼肉屋とコーヒー屋はまだまだ発展する余地があり、
今現在もその為の大きな調整が必要です。

「何をすべきか?」を考えた結果、
私にはいくつかの答えがありますが
(あくまで「たぶんそれで正解だろう。」という仮説ですが。)
それらを考えるための枠組みが以下の内容です。
(前もって書きますが、今回のコラムはちと堅い内容です。)

商売が長期的に流行るかどうかは単純で、
顧客の満足感レベルに従います。

1.顧客の満足レベル = 2.顧客が感じる価値 ÷ 3.顧客が支払う対価

1.が結果要素です。
2.は「顧客の喜び」であり、
  我々企業やサービスマンが提供する仕事であり成果です。
3.対価とは、一般的には価値を手に入れるために支払う金額です。

もう少し解釈を広げると、その価値を手に入れるための手間、
たとえば、すごく遠くに店があったり、
いつも行列ができていて並ばなければいけない時間等も含まれます。
が、まあ単純化して
「支払い価格」とイコールと考えればよいと思います。

経営者の仕事は、2)の価値の効率的な最大化と
3)の支払い価格の適正化、ということになります。

最近私が感じているのは、自分の商売において
すこしそのバランスが崩れてきているのではないかということです。

表面上の経営数値にはまだ表れてきていないので、
商売は比較的順調ですが、最近顧客から
「ちょっと高いね。」という声を良く聞くようになりました。

商売をやっていますと、顧客のある習性に気づきます。
つまり顧客はなんでも高いというというものです。
たいていの物やサービスは極端に価格を下げないと、
顧客の一部の人たちに永遠に高いと言われます。

私の商売もそうだと思っており、
高いという声をあまり重視していませんでした。
ところが最近、うちの従業員もちょっと高いよね、
というようなことを言っており、その声に注意を払っています。
(うちの管理本部の従業員は、
1月に何回か食事に行かなければならないルールになっています。)

ずいぶん長くなってしまいましたが、何が言いたいかというと、
先ほどの公式をいじることだけです。

2)顧客価値の最大化。

今まで以上のサービスレベルで
顧客がどこまで価値を感じてくれるのか?という挑戦。
これすでに具体的にやっています。

3)支払い価格の適正化。

価格は合理的であるだけではだめです。
一般的に飲食店の食品原価は30%強ですから、
仕入れ値の3倍をつければ売値としては合理的です。
でも100円のものを300円でうるのと、
10000円のものを30000円で売ることはまったく違います。
どちらも合理的ですが。

顧客のふところには、「値ごろ感」がとても大切です。
世の中の一般的な人(が顧客対象である場合ですが)の
値ごろ感がどこにあるのか?

常によいものを見ながら、自分で金を払って消費し、
ふところがどれぐらい痛むのかを感じておかないと
「値ごろ感」は見えてこないでしょうね。


2010年3月1日(月)

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