私は、フードサービスを営んでいるせいか、
「第3443回
レストランは円卓から4人掛けに」の
邱先生のコラムの内容がとても心に残っています。
日本も食事を一緒にする人間が減少したように、
中国でもその流れは不可避のように思われます。
そんな意識で街を眺めていると、
いつもの風景がちょっと変わって見えるのです。
昨日も、良く流行っている広東料理の店を通りがかり、
ガラス越しに見える風景は、10名前後の大テーブルでの宴会でした。
いや、たぶん家族をまじえた食事会でした。
ときどき誰かが立ち上がってはグラスをぶつけて乾杯をする。
きっと10年後には少なくなっている風景でしょう。
事業家にとってこの「時代感」を持つというのは、
長期的に時代という大海で航海を続けるには必須の能力です。
3Mという会社があります。その会社は
「毎年新製品を開発し、
投入後4年以内の新製品から30%以上の売り上げを確保する」
という明確な目標があります。
これも、時代の流れに乗るための仕組み上の工夫です。
唯の“ノリ”屋さんが何十年も生き残る理由がここにあります。
逆に言うと、数年単位の収益と
この時代感はあまり関係がないようです。
つまり時代感があっても今年儲かるわけではないということです。
マクロとミクロ、ロングとショート、
常に相反するもののバランスをとることが、
今日も元気で10年後も元気なことの秘訣のようです。
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