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109.新しいものより古いものを

新しいものごとを経験すると人間は興奮します。

新しい恋でも、新しい事業でも、新しい仕事でも、
新しい地に引越しするでも、
とにかく人間は結構新しいことが好きなようです。

私の焼肉屋は今4号店を作っています。
もうすぐオープンします。
そして、その次は5号店に着手する予定です。

私自身、新しい店をオープンできることを誇りに思うし、
そのチャンスを与えてもらえることへの感謝、
そして、新しい店を開くとなんだか企業が成長したような気がして、
感情的にはとても嬉しくなるのです。

でも、少し自分の心から距離を保って自分を見つめて、
「あっ、こういう状態危ないな。」と考えています。

新しいことは始めることは、高揚感を生み出します。
私だけでなく、その現場を任されている店長や
工事の監督を担当しているものにとっても、
大きな責任感とやりがいが感じられ、
こういった人間はほうっておいてもがんばります。

けど、経営者が目を向けなければならないのは、
実は新しい店のオープンのことばかりでなく、
古い店の価値の向上です。

恥ずかしい話ですが、うちの1号店は
サービス業としての価値の向上が最近あまり感じられません。
別に赤字になっているわけではないし、
なんら大きな問題が起きているわけではありません。

でも私は感じるのです。
このままではまずいと。

経営は、今目の前に見えないものを見なければなりません。
他の人、従業員、そしてお客さんにもまだ見えてないものを
見なければいけません。
逆にお客さんに見え始めたらもう遅すぎるのです。

新しい店をオープンする高揚感に包まれながら、
少し心をクールダウンさせて、
今、古いものをどう大切にするか考えているところです。


2009年4月27日(月)

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