新しいものごとを経験すると人間は興奮します。
新しい恋でも、新しい事業でも、新しい仕事でも、
新しい地に引越しするでも、
とにかく人間は結構新しいことが好きなようです。
私の焼肉屋は今4号店を作っています。
もうすぐオープンします。
そして、その次は5号店に着手する予定です。
私自身、新しい店をオープンできることを誇りに思うし、
そのチャンスを与えてもらえることへの感謝、
そして、新しい店を開くとなんだか企業が成長したような気がして、
感情的にはとても嬉しくなるのです。
でも、少し自分の心から距離を保って自分を見つめて、
「あっ、こういう状態危ないな。」と考えています。
新しいことは始めることは、高揚感を生み出します。
私だけでなく、その現場を任されている店長や
工事の監督を担当しているものにとっても、
大きな責任感とやりがいが感じられ、
こういった人間はほうっておいてもがんばります。
けど、経営者が目を向けなければならないのは、
実は新しい店のオープンのことばかりでなく、
古い店の価値の向上です。
恥ずかしい話ですが、うちの1号店は
サービス業としての価値の向上が最近あまり感じられません。
別に赤字になっているわけではないし、
なんら大きな問題が起きているわけではありません。
でも私は感じるのです。
このままではまずいと。
経営は、今目の前に見えないものを見なければなりません。
他の人、従業員、そしてお客さんにもまだ見えてないものを
見なければいけません。
逆にお客さんに見え始めたらもう遅すぎるのです。
新しい店をオープンする高揚感に包まれながら、
少し心をクールダウンさせて、
今、古いものをどう大切にするか考えているところです。
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