| 題名につけておきながら言うのもなんですが、世の中で「成功」といわれる言葉ほど、
 乱雑に使われている言葉もないものだと思います。
 成功とはそもそも、(しごく当たり前ながら)主観的な感情もしくは状態を表す言葉だと思います。
 一言で言えば“成功な人生”とは、自分が死ぬ間際に「あ〜、いい人生だった。」
 と呟けるかどうかだけの話ですから。
 一方で、経営をする、もしくはかかわる皆さんにとっては、マネージメントにおける成功というのを意識するのだと思います。
 経営における成功もまたほんとうにあいまいな言葉ですが、売上が高い状態であったり、
 利益がたくさん出ている状態であったり、
 もしくは、顧客が喜んでいる、
 従業員が喜んでいる状態であったり・・・、
 たくさんの成功の定義があると思います。
 とはいえ、こと経営者・事業家にとっての成功はある程度限られた定義に収まってくるでしょう。
 ところで、私は経営者における成功=サクセスには3つのSが必須だと考えています。
 Sweat(スウェット) 「汗」Skill(スキル) 「能力」
 Sense(センス) 「センス」
 なによりも、自分と他人のために汗がかけること。この汗なくして、成功はありえません。
 有名なエジソンの言葉
 「Genius is a 1 % of inspiration and 99% of perspiration」「天才とは、1%のひらめきと99%の汗の結晶である」
 にあるように、汗をかくことの大切さは強調するまでもないと思います。
 自分の手を汚すこと、自ら汗をかくこと。 そして、スキル。事業におけるスキルとは、財務がわかる能力――
 例えば財務諸表が完全に読めて、分析できることであったり、
 人事能力―人を育てる能力や人を見極める能力――、
 マーケティング力等々です。
 これは、勉強できるところと、やはりどうしても経験が必要なものがあります。
 理屈は全部教科書に書いてあるのでそれほど難しくもないですが、
 それを実践する際に、自分なりに消化して、
 自分のおかれた状況に応じて適応してみる。
 そしてその結果から自分にフィードバックするという
 仮説検証の経験がどうしても必要です。
 スキル向上においては、かりに天才がいたとしても、仮説検証の経験プロセスはスキップできません。
 だから、一般的に、
 経営者になるには、最低10年必要。 といわれるのです。「経営者をはじめて1、2年で儲かっちゃった。」というのは、
 たぶん偶然です。
 再現性を確保できてはじめてプロフェッショナルです。
 最後のセンス。これが難しい。
 汗もかける能力もあるだけではだめのような気がします。
 いや、汗と能力を補完するのが、このセンスです。
 詳しくは、来週に。 |