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105.汗臭い成功

題名につけておきながら言うのもなんですが、
世の中で「成功」といわれる言葉ほど、
乱雑に使われている言葉もないものだと思います。

成功とはそもそも、(しごく当たり前ながら)
主観的な感情もしくは状態を表す言葉だと思います。

一言で言えば“成功な人生”とは、
自分が死ぬ間際に「あ〜、いい人生だった。」
と呟けるかどうかだけの話ですから。

一方で、経営をする、もしくはかかわる皆さんにとっては、
マネージメントにおける成功というのを意識するのだと思います。

経営における成功もまたほんとうにあいまいな言葉ですが、
売上が高い状態であったり、
利益がたくさん出ている状態であったり、
もしくは、顧客が喜んでいる、
従業員が喜んでいる状態であったり・・・、
たくさんの成功の定義があると思います。

とはいえ、こと経営者・事業家にとっての成功は
ある程度限られた定義に収まってくるでしょう。

ところで、私は経営者における成功=サクセスには
3つのSが必須だと考えています。

Sweat(スウェット) 「汗」
Skill(スキル) 「能力」
Sense(センス) 「センス」

なによりも、自分と他人のために汗がかけること。
この汗なくして、成功はありえません。
有名なエジソンの言葉

「Genius is a 1 % of inspiration and 99% of perspiration」
「天才とは、1%のひらめきと99%の汗の結晶である」

にあるように、
汗をかくことの大切さは強調するまでもないと思います。

自分の手を汚すこと、自ら汗をかくこと。

そして、スキル。
事業におけるスキルとは、財務がわかる能力――
例えば財務諸表が完全に読めて、分析できることであったり、
人事能力―人を育てる能力や人を見極める能力――、
マーケティング力等々です。

これは、勉強できるところと、
やはりどうしても経験が必要なものがあります。
理屈は全部教科書に書いてあるのでそれほど難しくもないですが、
それを実践する際に、自分なりに消化して、
自分のおかれた状況に応じて適応してみる。
そしてその結果から自分にフィードバックするという
仮説検証の経験がどうしても必要です。

スキル向上においては、かりに天才がいたとしても、
仮説検証の経験プロセスはスキップできません。
だから、一般的に、

経営者になるには、最低10年必要。

といわれるのです。
「経営者をはじめて1、2年で儲かっちゃった。」というのは、
たぶん偶然です。
再現性を確保できてはじめてプロフェッショナルです。

最後のセンス。
これが難しい。
汗もかける能力もあるだけではだめのような気がします。
いや、汗と能力を補完するのが、このセンスです。

詳しくは、来週に。


2009年3月30日(月)

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