| 年収や給与というのは、たいていの人にとって大きな関心ごとです。まあ、あたりまえですよね。
 私も東京で働いている頃、「自分を高めるために
 コンサルティングファームで働いているのであり、
 目前の給与レベルなど関係ない。」
 と友人に豪語してきましたが、
 そのくせ、自分の年収水準には特に敏感でした。
 やはり、多くの人にとって年収というのは、自分が社会や会社から評価される
 ものさしになっていると感じるもので、
 いくらかっこつけても無視できないものです。
 私の会社は外資系だったこともあり、1年目からわりといい給与をもらい、
 さらに最初の年は、野球選手みたいに契約金ももらいました。
 ところが、2年目の年収が公開されたとき唖然としました。 「えっ?1年目の総額より少ないじゃんかよ。」 周りの人間に聞くと、一度公開された年棒が変わることはないとのこと。
 しかし、あまりに納得いかなかった私は、
 当時のイギリス人の社長に噛み付きにいきました。
 細かい過程はおいておきますが、まあ、ありとあらゆる理由と理屈をつけて
 私の年収水準に合理性がないことを主張しましたが、
 相手はこの業界で十数年のプロです。
 私をひねることなどたわいもないことでした。
 私は、その後、自分のすぐ上のボスに相談したりしましたが、結局なにも変わらないままでした。
 そして、後から気づいたのです。 給与が一番早く上がる人間は、給与のことを一番気にしていないように見える。
 そして、一切そのことを口にしない。
 後々自分で気づいたのですが、私の愚痴を聞いてくれたボスも、私の給与に対する怒りをかなり冷ややかに見ていたはずです。
 それに気づいてから、私は、基本的な態度を変えました。 そして今、自分が給与を出すときになって、明確にわかりました。給与水準を高める一番の方法は、社長をはずかしめることだ。
 
 変な表現を使いましたが、簡単に言うと、社長が
 「この人間にこの程度の給与を与え続けるなんて、
 いくらなんでも低すぎやしないか。
 いや、もしかしたら転職しちゃうんじゃないか。」
 と不安に思わせることが一番社長には効くのです。
 私の会社で一番給与が上がった人間もそうです。彼は1年目、私が給与を上げると言ったとき、
 「会社がまだもうかってないですから、もう少しあとでいいです。」
 と昇給を断り、その後もどんどんとパフォーマンスをあげました。
 しだいに私は「やつにこの給与じゃさすがに俺が心苦しい。」
 と思うようになり、昇給のタイミングを見計らっていました。
 太陽と北風じゃないですが、社長にこういうに思わせることが給与を高める一番手っ取り早く、
 そして一番確実な方法です。
 ぜひぜひ試してください。効果てきめんのはずです。
 私が保証します。
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