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82. もうかりまっか? 〜新規事業成功のツボ(4/5)〜

その事業が儲かるかどうかは、
事業を始める前にほぼ完全にわかります。

1) BigWave(いい波)       
2) GoodTeam(チームワーク)
3) Only One (差別化・独自性)
4) Profit Structure(儲けの構造) ← 「本日のテーマ」
5) Good Heart (心)

私が今回伝えたいことは、3点です。
・事業が儲かるかどうかは、やらなくてもわかる
・儲けは経営者が決めるのではなく、
 その事業がもつ儲けの構造が決める
・最低知るべきは、損益分岐と費用構造(固定費型か変動費型か)

1つ目の、「事業が儲かるかどうかは、やらなくてもわかる」と
2つ目の「儲けは、経営者が決めるのではなく、
その事業がもつ儲けの構造が決める」は、
実は、同じことを言っています。

事業の儲けは、その事業の方程式が決めるのです。

例えば、一般的な飲食店であれば

「利益=売上−食品原価−人件費−家賃―水電気―雑費」

この中で、原価は一般的には30〜40%であり、
人件費はおよそ固定費化され、家賃も一般的には固定費です。
ですから、こういった数値をこの式にあてこめば、
利益を計算することはいとも簡単です。
みんなめんどくさいからやらないだけです。

そして、こういった儲けの方程式は、
一般的は、その事業の常識というのがあり、
例えば飲食店の店舗で
目がくらむほど儲けている人はほとんどいないでしょうし、
鉄鋼や石炭といった材料系も、
利益率といのはたいてい業界内では似たり寄ったりです。

その似たり寄ったりの数値を
なんとか良い方向に少しもっていくのが一般的な優秀な経営者で、
その費用や利益構造をガラッと変えるのが、超優秀な経営者です。

そして、最後の「損益分岐点と費用構造」の話はこうです。

損益分岐点がわからずに事業をやることはとても危険です。
ガソリンメーターが壊れた車に乗っているようなものです。
(損益分岐点の計算方法はご自身で勉強してくださいね。)
これは自分の事業の費用構造の話と同一です。

事業には大まかに2通りあって、「固定費型」と「変動費型」です。

「固定費型」とは、初期投資の大きいビジネスのことで、
例えば車の生産です。
車の生産には、大きな投資が必要です。
また損益分岐点に達するのに、時間がかかります。
つまり、売上が軌道にのるまでは
大きな赤字がでるのがこのタイプの特徴です。
その代わり、儲かり始めると、
どんどん利益の増え方が大きくなります。

「変動費型」は、
一般的には比較的初期投資の小さいビジネスのことです。
例えば、在庫を抱えない通信販売などはこのタイプで、
ちょっと売るだけですぐに損益分岐に達し赤字を脱出しますが、
売上が大きくなっても、
利益の増え方はそれほど加速的ではありません。

今回言いたかったことは、
経営者である以上、儲けを出すのは
目標などというぬるい言葉ではなく、責任なのです。

すばらしいアイディアだということで事業をうっかり開始し、
3年間頑張ったけれど儲けがでなかった。
しかし、それは3年間頑張ったけど儲けがでなかったのではなく、
3年間やっても儲けが出るはずのない努力を
つづけていた可能性が強いのです。

事業のもつ儲けの方程式が経営者の運命を左右します


2008年10月13日(月) <<前へ  次へ>>