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34. いざ復活へ!

さて、顧客満足・商売の原則は整理できた。
それに照らし合わせて現状も理解したし、そもそも店が流行らなかった原因も理解できた。

もう一度整理すると、これまでの失敗の大きな原因は
1) 中国人の嗜好にあわせた魅力ある商品がない(ように見える)
2) 価格設定に「得しちゃった!」というお得感がない
ということでした。

だから、これらの原因を解決してやれば
お客さんは喜んで店に来てくれるはずだというのは、誰が考えても当たり前の理屈です。

まず、1)商品の魅力については2つの解決策を準備しました。
あ)"中国人からみて"魅力的な新商品の開発
い)焼肉を食べたことがない人でも簡単に理解し、選択できるメニューづくり

最大のキーワードは"中国人からみて"という部分にあります。
繰り返すと私の失敗の原因は日本的な感覚で良いものを押し付けたことでした。
だから、こんどこそは中国人、
もっと言えば四川の成都人に喜ばれるものを提供することです。

一方、これには迷いました。
これまで「俺がうまいと思わないものは出さん!」と言い切ってきましたから。
でもこの姿勢は正しいのです。
良質な牛肉の判断ができない
経験の浅い当時の私の従業員にいろいろな判断をさせることにリスクがあったのです。
しかし、これからはその従業員に「なあ、君うまいと思うかこれ?」と意見を聞きながら
決断を下していくのです。慣れるまではこの見切りがうまくいきませんでした。

メニューについても、私の勘違いから、
「写真はいらん、とにかくシンプルに」という指示を改めました。
「全商品に写真をつけよ。
食べたことがなくても、メニューを見るだけで選べるようにせよ。
必要な物には説明をつけ、とにかく選びやすさと商品の魅力をアピールせよ。」
という指示に変更しました。

ちなみに、このときに従業員は笑っていたはずです。
だって、ついこの間まで
「写真はいらん、メニューはとにかく簡素に!」と自分でいっていたのですから。
しかし、私はこういう時に、大きな声で
「言っておくけど、これは指示の変更ではないからね。進化だよ進化!」
と強調することを忘れません。(笑)

お得感の演出については、馬鹿正直に50円のものを50円で売るのでなく、
物によって原価率の設定を変更し、
サービス品を出したり、思い切った割引をしても適切な利益を残せるように調整しました。
もっと言うと、成都の人が一番喜ぶ「割引」を前提に価格を練り直した
という表現の方が正しいかもしれません。
そして、3回店に来てくれたお客様には
いつでも8.8掛け(12%の割引)になるVIPカードを製作し、かなりの数をばらまきました。

ところで、なぜ3回なのか、わかりますか?

ヒントは「デートは最低3回せよ。」です。


2007年11月12日(月) <<前へ  次へ>>