前回申し上げたとおり、ビジネスは仮説検証サイクルの連続ですから、
いかにたくさんの仮説、つまりアイディアを生み出すかがポイントになります。
ではどうしたら、アイディアがでてくるのかというと、私は2つの鍵があると思っています。
1つ目の鍵は「経験」です。わかりやすく言うとたくさんのものを見るということです。
世の中の斬新なアイディアは既存のアイディアの組み合わせか変化形です。
有名な例ですが、いまでも特許料が入り続けているといわれる、消しゴム付鉛筆。
これだって、組み合わせですよね。
この組み合わせを固定概念にとらわれる事無く自由におこなうと
面白いアイディアが生まれてきます。
でも、組み合わせるためには、その元が必要になります。
それが、経験です。
とにかく、自分の目で見て触って匂いをかいで口に入れてみて、
あらゆる経験の形を蓄積していくことが、ネタを増やすポイントです。
例えば、私はよく日本の女性ファッション誌や旅行雑誌をみます。
とても綺麗な服や小物、インテリアが載っているからです。
この意味では、中国でビジネスをやる人間に、
邱先生はよく「日本人にしか出来ないことをやりなさい。」とおっしゃいますが、
日本人は日本の優れたモノやサービスの経験値が
現地の中国人と比べると圧倒的に高いのです。
このよい経験を事業に活かすことが大切なんです。
私の友人は、「俺は悪いけど日本的な仕事のやり方を変えるつもりはない。
だって、圧倒的に俺のやり方のが優れているからな。」と豪語して、
私をはっとさせたことがありますが、そうなんです。
日本人が妥協というか変化していいところといけないポイントは明確にあるのです。
(おっと話がずれてしまった・・・)
さて、2つ目の鍵ですが、それは「精神力」です。
「最高のアイディアは最高に苦しいピンチな時に生まれる。」
これ、最高にピンチだという経験を何度もした私なりの教訓ですが、
皆さんも経験があるのではないでしょうか?
新しいアイディア、大きな問題を解決するための解を見つけるには、
精神を集中させる必要があります。
私の場合、これっ!という時は解が出るまでひたすら執拗に考え続けます。
シャワーを浴びていう時も、トイレに入っている時も、
冗談ではなくて夢の中でもず〜と考え続けます。
(ちなみに、トイレと夢の中で解決策が見つかるときが多いですが)
先日も私の同僚が、ケーキの販売について悩んでいました。
彼は、それこそ大変なプレッシャーを感じて
今にも泣きそうな顔で三日間ぐらい過ごしていました。
その彼に、
「あんまり苦しまずに、お客さんも自分も楽しくなるようなアイディアを考えてごらん。」
と言ったところ、次の日の朝に面白いアイディアがポンッと出てきました。
これは、彼がそれまでずっ〜と精神を集中させてきたから出てきたアイディアなんだと思います。
こういう時って、ほんとに苦しくて、いつも成果が出ないんじゃないか!?
と苦しいものですが、
幸いある一定の苦しみを超えるといつも決まって成果が出てくれるので、
「あ〜、苦しみってのは成果の付属物なんだな。」
といつも自分を励ましています。
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