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29.上海コピー戦争
最近よく行くケーキ屋さんがあるのですが、
そのお店は24時間営業でパンとケーキを販売しています。
テーブル数も少なく、トイレもない事から一般のカフェとは違い、
テークアウトをメインとした販売方法で、
多くのお客様を獲得しているようです。
私は夜にふと甘い物が食べたくなったときに、
便利なのでよく使います。

台湾発のこのお店が上海でも多くの店舗をオープンし、
いろいろな場所で見かけるようになりました。
しばらくして私の家の近くにもオープンしました。
行ってみると、その店は見た目がそっくりでしたが、
何か微妙に違うお店でした。
ここの売りも24時間営業で、テーブル数も少なく、トイレもない、
内装も商品もコンセプトも全く同じに見えます。
しかし商品や雰囲気は若干違いました。

それは完全にコピーしているお店でした。
中国では流行ったお店はすぐにコピーされてしまうなと思いました。
また最近よく行くお店があるのですが、
そのお店は昔の香港の食堂をイメージした内装で、
味もおいしくリーズナブルで
開店から早くも繁盛しているお店でした。
とても面白いお店なのでオーナーと話してみたところ、
オーナーは香港の方で、日本語ペラペラのとても面白い方でした。
彼曰く、本物のレトロな雰囲気を出す為に椅子から食器、
床のタイルからトイレまで
一から取り寄せて作りましたと言いました。
思わず、
「ここは面白いお店だからすぐにコピーされる心配はないですか?」
と聞いたところ、
「このお店は自分が時間をかけて徹底してこだわったお店だから、
コピーも簡単にはできないでしょう。」
と自信満々に答えました。

そのときに思ったのはやはりコピーは本物を超える事はできない。
本物はそんなに簡単にコピーできるものではない
という事が分かりました。
本物とは何か、ということがすこし分かった気がします。
本物のこだわりとは
その人のこだわりがお店の中に宿るのではないかと思います。
そんなメッセージのあるお店作りを私もしていきたいです。


2009年8月19日

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